そんなに変わるのかWindows
朝起きてみると世界が変わるシグナルを受信することはたまにあるのですが、そんな日が10連休明けというのもおもしろいですね。
皆さまおなじみのWindowsに大きな変化が起こります。まだ起こっていませんが、今後起こることを知っておくだけでも大事です。こういうことを繰り返していかないと、だんだんシステムエンジニアとしてさび付いて行って、最終的には若手から老害扱いを受けるということですね。「昔は・・じゃったんだがのう」。そんなことにならないためにもBrain Updateをこまめに行いましょう。
※ちなみに、下記ニュースは全てPublickeyから引用しています。元記事に深く感謝いたします。
変化のシグナル
Windows Terminalの発表
マイクロソフトはWindowsに対応した新しいコマンドラインインターフェイス、「Windows Terminal」を発表しました。
Windows Terminalではタブによっていくつでも画面を開くことができ、それぞれの画面でコマンドプロンプトやPowerShell、Windows Subsystem for LinuxやSSH経由でほかのサーバへの接続などが可能。Windows Terminalですべてのコマンドラインインターフェイスを統合することができます。
この話、最も私が食いつくのはSSHクライアントがついにWindows標準に組み込まれるということです。私の仕事の9割はSSHで行われているのですが、TeraTermを愛用しています。どの端末でもネイティブにSSHクライアントが使えるのであれば、これをベースにTeratermマクロを書き換えて、移行したら便利かなと思いました。
※なお、去年の「Windows 10 April 2018 Update」でひっそりとOpenSSHクライアントが正式版となっていましたが、オプション扱いであったためか全く流行しませんでした。
そしてMicrosoftはついに、「Windows 10 April 2018 Update」で「Secure Shell(SSH)」にネイティブで対応した
Windows Subsystem for Linuxの次期版「WSL2」の発表
マイクロソフトはWindows上でLinux互換機能を提供するWindows Subsystem for Linux(WSL)の次期版となる「WSL 2」を発表しました。
WSL 2には、最初からWSL 2に最適化されたLinuxカーネルが含まれており、フル互換のLinuxシステムコールを実現。またファイルシステム性能は最大20倍もの劇的な向上も実現しているとのことです。
これによりWSL 2上ではDockerも実行可能だとされています。「Announcing WSL 2」から引用します。
以前DockerをWSL上に展開してみたのですが、いろいろと制約があることがわかり利用を断念しました。
正直一番気になるのが、仮想マシンベースでのLinux動作がメモリーをどれくらい使うのかということです。Hyper-V上でLinux仮想マシンを動かすだけで1GBから2GBは使いますし、起動にも時間がかかるので、結局同じことにならなければいいなと思います。アナウンス上は省リソースだとありますので期待!。
本当にアナウンス通りなら、世界は変わるかも。
Visual Studio Online発表
マイクロソフトは米シアトルで開催中のイベント「Microsoft Build 2019」で、Webブラウザで動作する開発環境「Visual Studio Online」を発表しました。
Visual Studio OnlineはWebアプリケーションとして提供されるため、Webブラウザから「https://online.visualstudio.com」へアクセスすることで利用可能になる予定です。
Visual Studio Codeをベースにしており、既存の拡張機能も利用可能。
私はアプリケーション開発を行っていないので直接的な影響はないのですが、アプリケーション開発者には黒船のような扱いを受けているのではないでしょうか。
DevOpsの怪物というか、このサービスが本物であればブラウザさえあれば開発マシンが調達できることとなります。一方で、インターネットに問題があったり、Visual Studio Onlineの障害に、開発プロジェクトが依存することとなります。「開発できないっすー」と言う状況が開発メンバー全員に起こることも考えられ、ずぶずぶに依存すると怖いかなあとも思います。
いざと言うときにオフラインリポジトリが使えるような対策は必要だと思いますね。
次期Microsoft Edgeに「Internet Explorer mode」搭載
マイクロソフトは米シアトルで開催中のイベント「Microsoft Build 2019」で、次期Microsoft Edgeの企業向け新機能としてInternete Explorer 11と同じ機能をMicrosoft Edge内で提供する「Internete Explorer mode」の搭載を発表しました。
ということは、どこかのUpdateのタイミングで、IEがついになくなりEdgeの中に統合されるということを暗示しているのかと思います。
ちゃんとテストしてくださいね、いつかIEは無くなりますから。というメッセージが込められているような気がします。
GitHubアカウントと、Azure Active Directoryの統合
マイクロソフトは、GitHubアカウントでMicrosoft Azureへサインインが可能になったことを発表しました。
これは開発者へのAzureへの誘い水でしょうか。
システム運用の感覚から言うと、こういったアカウント同期にあまりいい思い出はないのですが・・。
.NET 5がすべてのデバイスをサポートする
現在、マイクロソフトが提供するおもなフレームワークは、Windows向けの「.NET Framework」、当初はおもにサーバアプリケーション向けとして登場したオープンソースの「.NET Core」、そしてモバイル向けの「Xamarin」の3つに大別できます。
マイクロソフトは米シアトルで開催中のイベント「Microsoft Build 2019」で、これらフレームワークの新たなロードマップを発表しました。ロードマップでは、.NETの未来は「.NET Core」にあるとし、現在開発中の「.NET Core 3」の次のバージョン(.NET Core vNext)である「.NET 5」が唯一のフレームワークになるとしました。
私はアプリケーション開発を行わないのでこれも直接的な影響を受けないのですが、知識としては知っておく必要があります。
そもそも全てがオープンソースになるのねということと、.NETが動くプラットフォームが今後コンテナになったりするとまた面白い話になりそうだな‥と思いました。
感覚が大事
この業界は、標準と思っていたものがガラリと変わることがあります。今回のニュース群を感覚として身につけておけば、いざ変化が起きた時に素早く対応できます。
また、全てが市場に受け入れられるとも限らず、いきなり飛びつくのも早計。まずは新規システム提案などでのスパイスとして頭に入れておくのが良いのかなと思います。こういったニュースを先取りしておくと、顧客との会話が弾みますからね・・。