orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

日本人の9割が「わざと」生産性を勘違いしている理由

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生産性を勘違いしている?

「生産性」について日本人の9割が勘違いしているというなら、正しく理解したほうがいいですよね。

 

zuuonline.com

現代社会は、「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれている。VUCAとは、「あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難な状態」を指す言葉で、近年ビジネスシーンでも話題になっているキーワードの1つだ。

今回は、そんな先の見えない時代に生き残るための仕事術をまとめた『本当は大切なのに誰も教えてくれない VUCA時代の仕事のキホン』を上梓した河野英太郎氏に、「限られた時間で成果を出す」ためのスキルについて、解説していただいた。

 

結局この記事が言いたいのは、

生産性を上げるときは、
-今の仕事スタイルで、より結果を出す
のではなく
-今の仕事量を、少ない時間で仕上げる方法
を考えよう

ということです。

 

9割勘違いしている、と言い放つのは気持ちがいいかもしれないですが、なぜ働く人たちが「今の仕事スタイルで、より結果を出す」と考えがちなのかもっと深掘りすべきだと思います。

 

生産性を上げても得しない日本の労働

今の仕事を、流行のRPAなどを使って短縮や全自動化を行ったとします。

経営者が次はどうするかです。

一番悪いパターンとして人減らしをします。仕事量は同じなのにそれに携わる職員を減らすのです。解雇なんていう方法は取りにくいので、自然退職に対して補充しないとか、補充する代わりに低賃金の非正規を充てるなどです。

また、こんな手もあります。作業量が減ったのを見て、営業をかけて新たに仕事を投入するのです。生産性を上げる努力をして少ない時間で仕上げることができて、仕事に余裕ができると思ったら仕事を増やされる。

まだまだあります。仕事量を減らしたら残業時間が減るのです。つまり総収入が減る。残業時間が減ったらうれしいのは実は経営者だったりします。同じ生産量に対して給与にかかるコストが減るのですから。残業時間が減ったら労働者がうれしいと考えるのは経営者側の発想で、大部分の労働者は手取りが減る痛みを味わうことになります。派遣社員なんて時給計算がほとんどですから、直接的に労働時間と給与が比例しています。残業したほうが手取りが増えるようになっているのです。

というふうに、生産性を本来の意味で向上させると、労働者が損するようにできているのが日本の多くの職場だという風に考えています。9割が勘違いしているのではない。9割の職場がこのようになっているのです。この結果何が起こるか。

・RPAなどの取り組みに抵抗し、導入を渋る
・生産性向上を担当する職員に陰湿なイジメをし、変化をさせない
・導入された新しい方法の上で、仕事をしているフリをして結果を出させない

これ、バカみたいですが本当に起こることです。生活を守るために、わざと生産性を向上させないのです。しかし、このように仕向けているのは経営者だったりして、かなり根が深いのです。ですから、大企業のように人がたくさんいるところでは、部署ごとつぶして新組織にしたり、リストラしたり、転勤させたりする、ということです。しかし中小企業ではそんなこともできない。日本の企業はほとんどが中小企業だから、生産性が向上しないというロジックです。

 

さて、こんなバカげた、経営者VS労働者の取り組みに巻き込まれそうになったらどうすればいいでしょうか。

私個人は、生産性バンザイです。なぜなら残業代が出ないからです。いわゆる(IT業界にありがちな)管理職扱いです。残業代でないならとことん自動化し楽したほうがいいのですが、過去メンバーとの間で死闘を繰り広げたことがありました。協力をしないどころか、社内的に抹殺しにくるのです。あれはひどかったな。

こういう事態になったときに私がお勧めする方法です。

1)さっさと転職活動を開始する。生産性を向上させた結果高収益・好待遇を実現する企業に行きましょう。
2)「私の部下を見る限りあなたの会社の社員は腐っているので、転職します」と上司や経営者に伝える。こうしたときに会社が自分の待遇を上げたり、新部署を作ってくれる会社はまだ見込みがあります。もし、逆に冷遇してくるのなら、(1)に戻ってさっさと転職しましょう。
3)独立する。これは第三の手段。生産性を上げられる手腕があるなら、創業したりフリーランスになったほうが稼げます。

企業によっては、「まあまあ熱くなるな、メンバーと仲良くやってくれよ」みたいにまるで生産性を上げようとする管理職を悪者扱いしてくる上司もいます。生産性を上げろと言ったのはあなたじゃないのか、それが生産性の上がらない日本企業の現実だと思いませんか。

 

経営者側がすべきこと

一方で、労働者が「生産性を上げない抵抗」をしないようにするためには、経営者側は何をすべきでしょうか。もちろん部署変更やリストラは有効な手段ですが、大企業寄りの思考だと思います。中小企業などはむしろ非正規社員に依存しているところもあって、組織が硬直化してしまっているところも多いです。

これは、実は簡単です。残業してもしなくても、給与を変わらなくすればいいのです。それは残業しても残業代を支払わないのと同じではないのか。違います。残業時間は働き方改革法案にて年720時間(特定の職種を除く)となりましたが、年720時間の残業代込みの給与とするのです。それ以上は法律で残業禁止です。そうすれば、まずは額面の給与は全員上がります。この条件なら彼らはできるだけ仕事を早く終わらせ帰宅したほうがお得です。

その上で残業時間を管理し、残業時間が増えるならば経営者側で人を増やすか、早く終わらせるためのシステム投資を行うか、という思考をすればよいということです。定時間内の工数すら余るようなら、新部署を立ち上げて新しいビジネスに手を付けるというのもあるでしょう。

残業代720時間付与が思い切り過ぎるのであれば、生産性向上と社員の昇進をペアにして、達成した場合は残業したのと同じ給与水準まで引き上げることを条件に協力させるというのも手ですね。

 

総括

というふうに、中小企業がほとんどの日本の会社は、生産性が上がらないようになっています。しかも経営者サイドが工夫もせず、政府の働き方改革に乗っかって残業時間だけを減らすことだけに終始するというのも多いと思います。

ただ、全ての会社がそのようなわけでもないし、先に手を打っている優秀な企業もちらほら聞きますので、「一社に定年まで働く」ではなく常に広い目で人生を考えていく必要があると思います。

真の意味で生産性向上を働く目的として考えている人は、ぜひ、それが正義とされる職場で働くことを強くお勧めします。なんでこんなことを仕事としてやらなければいけないんだろう!、に対する答えがこれです。