orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

クラウドエンジニアのクラウド考

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成長する市場、クラウド

クラウド、黙ってても市場は3年で2倍になるんですって。

 

cloud.watch.impress.co.jp

矢野経済研究所では、基幹システムはいまだオンプレミスの割合が高く、クラウド移行に伴う商談規模も大きく、クラウドベンダーにとっても市場開拓のポテンシャルが非常に高いと説明。そうしたことなどから、国内クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場(事業者売上高ベース)は、今後も高い成長を継続。2016年から2022年までの年平均成長率が29.3%で成長し、2022年には8400億円になると予測している。

 

2019年が4200億とあり、きっちり倍ですね。

経済成長が止まる日本において、珍しい成長市場だと思います。でもそんなに人気は感じられないなあ。そういえばクラウド基盤って、GAFAM(Google/Amazon/Facebook/Apple/Microsoft)が牛耳っているイメージが強いと思いますが、あとSalesForceもか。ただ、彼らはプラットフォーマーであって構築する、運用するというところまでサービスの一部と考えるとたくさんの日本人がいて、私もその一人です。

この伸び方はその通りです。そんなに営業努力が無くても仕事が舞い込んでくる状況で、しかもクラウドの特性上生産性が高いのでねらい目だと思います。が、あんまり人気はない気がしますね。ニッチな雰囲気もあるし、あとは基盤に携わると本番運用のプレッシャーも強く、システム障害に巻き込まれると休みも夜も関係なし。実際そういう側面もあるので、敬遠されてるのかな。

ちゃんとリスク管理すれば、かなり便利なものですけれどもね。

 

クラウド、個人的には

記事の中にはSAPまでやってくるという話があって、確かに世界を席巻しているSAP R/3が2025年でサポート切れになるところでクラウド化が進むと言われています。SAP S/4HANAにするならクラウドかと。SAP自身もIaaSを持っているくらいで、このあたりに成長のヒントがあるらしいです。私は関わる気がないんですけど、怖くて。

個人的な意見と強調しておきます。オンプレ、そしてクラウドといくら関わっても、やっぱり障害ポイントというのは残るんですね。今後、基幹システムがどんどんクラウドに行くと言われていますし、ベンダーが後押ししています。これまでのクラウドは情報系やWEBシステムだったが、今後はインターネットにすらつながない基幹システムがクラウドにやってくる、と。でも、それって本当に大丈夫なのかな、と。止まったり無くなったりすると、企業経営そのものに直結するシステムですからね。

どうも、オンプレやクラウド、いわゆるオープン系システムをやればやるほど、メインフレームの堅牢さが目に付くんですよね。

 

techtarget.itmedia.co.jp

メインフレーム離脱企業はx86サーバに移行した理由を説明しているが、メインフレーム擁護者たちによると、そうすべきでない理由もたくさんあるという。

 米調査会社Clabby Analyticsを経営するジョー・クラビー氏によると、メインフレームから仮想化技術を搭載したx86サーバに移行するというトレンドは、実際には後退だという。

 

そう、この記事はクラウドエンジニアの私すらうなずくことがあって、メインフレームは時代遅れ、クラウドは時代の最先端ていうのはどこかのベンダーの刷り込みなんじゃないかと思うのです。

最近のメインフレームって、もちろんLinuxは動くし、そのうえでKuberenetes・コンテナが実行できたりします。オールフラッシュなどハードウェア面も最先端。そのうえで、パーツレベルで一貫した設計をして動いていて、保守も手厚いですから、命を預けるならメインフレームかなあと。

 

enterprisezine.jp

 ところでハードウェアの話題と言えば、ここ最近ちょっと気になっているのがメインフレーム。その代表はもちろんIBMのフラグシップマシンIBM Zだろう。言わずもがな、これは「レガシー」とも表現されるマシンだ。クラウドの時代に何を今更メインフレームかと思われるかもしれない。とはいえIBMは、2018年4月にZの新モデル「IBM z14 Model ZR1」および「IBM LinuxONE Rockhopper II」を発表している。これらは、「クラウドコンピューティングに最適な最新のメインフレーム」と位置づけられている。

 

そりゃあ、メインフレームなんて触る機会はないんですが。例えばメインフレームでクラウドサービスを運用してくれるIaaSが現れたら、興味がわきますね。

 

雰囲気でクラウドを選ばないこと

雰囲気でインフラ基盤を選んだら痛い目に遭いますし、私はそういうのに巻き込まれたくないんですよ本当に。ちょっとくらい落ちても大丈夫なくらいでクラウドに関わらないと、ユーザーもベンダーも心も持ちません。

ツイッターのトレンドでも、たまにシステム障害によるサービス停止が話題となりますが、まあ隠れたクラウドの障害はちょくちょく発生しているんです。移行していないユーザーはまだそんなこと知らない。

全てのワークロードをメインフレームでやろうとすると無駄が多いのですが、せめて、重要な基幹システムはできるだけメインフレームを使った方がいいんじゃないかあ、って、一介のクラウドエンジニアはそのように思います。