iPhoneの割高感が話題
ここ最近、iPhone、特にXS / XS Maxの登場でiPhoneが高すぎるのではという話題がありますよね。一方で中国製のAndroidが高性能でかつ安価なものが出てきているので、相対的に割高感を感じるのは仕方ないところ、というのが私の感想です。
しかし、iPhoneは長い販売時間の中で割高になってしまったというのは事実なのでしょうか。日本で始めて販売された3Gから、その推移を追ってみたいと思います。
iPhone各シリーズ発表の歴史を追う
iPhone 3G (2008年6月)
最初599ドルだった8GBは2ヶ月後に399ドルに値下げして提供した。そして今回、8GBを199ドルで、16GBモデルを299ドルという価格で発売することに。
iPhone 3GS (2009年6月)
16GBモデルが199ドル(約1万9600円)、32GBモデルが299ドル(約2万9500円)で販売される予定。また、旧モデルとなる「iPhone 3G」の8GBモデルも99ドル(約9800円)で併売されるとしています。
iPhone 4 (2010年6月)
価格はAT&Tとの2年契約の場合、「iPhone 4」の16GBモデルが199ドル(約1万8200円)、32GBモデルが299ドル(約2万7500円)、そして「iPhone 3GS」の8GBモデルが99ドル(約9500円)になります
iPhone 4S (2011年10月)
iPhone 4Sは16GB(199ドル、約1万5300円)、32GB(299ドル、約2万3000円)、64GB(399ドル、約3万600円)の3モデルがラインナップ。iPhone 4は8GBモデルが99ドル(約7600円)、iPhone 3GSは無料となります。
iPhone 5 (2012年9月)
米国での販売価格は16GBモデルが199ドル、32GBモデルが299ドル、64GBモデルが399ドル。いずれも、通信キャリアと2年契約を行った場合の価格です。
同じく2年契約を行った場合は旧モデルのiPhone 4は無料で、iPhone 4Sは99ドルで手に入ります。
iPhone 5s / 5c (2013年9月)
(iPhone 5c)16GBは99ドル(約9900円)、32GBは199ドル(約1万9900円)で発売。これは2年契約の場合。
(iPhone 5s)価格は、2年契約の場合、16GBモデルが199ドル(約1万9900円)、32GBモデルが299ドル(約2万9900円)、64GBモデルが399ドル(約3万9900円)。
iPhone 6 / 6 Plus (2014年9月)
iPhone 6は2年契約で16GBが199ドル(約2万円)、64GBは299ドル(約3万円)、128GBが399ドル(約4万円)
iPhone 6 Plusは16GBが299ドル(約3万円)、64GBは399ドル(約4万円)、128GBが499ドル(約5万円)
iPhone 6S / 6S Plus
iPhone 6sは16GBが199ドル、64GBが299ドル、128GBが399ドル、iPhone 6s Plusは16GBが299ドル、64GBが399ドル、128GBが499ドル。なお、2年縛りの価格になります。
iPhone 7 / 7 Plus (2016年9月)
iPhone 7の価格は649ドル(約6万6000円)から
iPhone 7 Plusの価格は769ドル(約7万8000円)からです。
過去からたどるとわかる通り7から価格が跳ね上がっています。
これはいきなり価格を上げたのではなく、キャリアの2年縛りのときの価格から、いわゆるSIMフリーの一括価格に表示を変更したためのようです。
ちなみに私が調べたところ、
iPhone 7は、32GBが649ドル、128GBが749ドル、256GBが849ドルです。
iPhone 7 Plusは、32GBが769ドル、128GBが869ドル、256GBが969ドルです。
なんだか32GBが高く見えますね。
iPhone 8 / 8 Plus (2017年9月)
iPhone 8の価格は699ドルから。日本では税別7万8800円から。
(iPhone 8 Plus)価格は799ドルからで、税別8万9800円から。
詳しくは・・
iPhone 8は、64GBの699ドル、256GBの849ドルです。
iPhone 8 Plusは、64GBの799ドル、256GBの949ドルです。
iPhone X (2017年9月)
iPhone Xの容量は64GBと256GBで、価格は999ドルから。日本では税別11万2800円からとなっています。
なおiPhone Xは、iPhone 8 / 8 Plusの発表と同時ですね。
詳しくは・・
iPhone Xは、64GBモデルが999ドル、256GBが1149ドルです。
iPhone XはいわゆるiPhoneのシリーズではプレミアムモデルとして発表されました。ついに最上位は1000ドル越えを果たしています。
iPhone XS / XS Max (2018年9月)
価格は後段のXRの時に一緒に発表しています。
詳しくは・・
iPhone XSは64GBモデルが999ドル、256GBモデルが1149ドル、512GBモデルが1349ドルです。
iPhone XS Maxは64GBモデルが1099ドル、256GBモデルが1249ドル、512GBモデルが1449ドルです。
iPhone XR (2018年9月)
価格はiPhone XS Maxが1099ドルから、iPhone XSが999ドルから、iPhone XRが749ドルから。
詳しくは・・
iPhone XRは64GBモデルが749ドル、128GBモデルが799ドル、256GBモデルが899ドルです。
決して高くなったわけではない
このように、iPhone 6シリーズまでは、2年契約での価格が発表されていて本来の価格がよくわかりません。iPhone 7を見ると256GBモデルは849ドルでした。一方でXRの256GBモデルは899ドル。端末スペックは上がっているにもかかわらずそこまで値段は上がっていないと思います。
中国製Androidの価格が3~5万円台がミドルレンジになっておりかつ実用性があるレベルまでAndroidが進化したこと。一方でXSやXS Maxが最上位で20万弱まである。一括価格で並べるとどうしてもiPhoneが高く見えてしまいますよね。
そもそも、はじめは2年縛りの割引価格で発表していたことから見ても、安い価格でできれば表現したかったんだろうけれども、日本よりもいち早くアメリカでは一括の表示になったということなんでしょうね。
日本では、今夏から端末代と通信料の分離が法律で強制されるようになり、iPhoneがどうしても売れなくなるのでは・・と関係者が警戒しています。
スマートフォンなどの携帯電話の端末料金と通信料金を分離する「電気通信事業法の一部を改正する法律案」が3月5日、閣議決定した。石田真敏総務大臣は「通信料金の低廉化が進む」と語った。家電量販関係者からは「人気のiPhoneが売れなくなり、携帯電話の販売が落ち込むのは明らかだ」と警戒する。
ただ、Androidだってハイエンドだと10万円以上しますから、iPhone XRあたりを5万円台にできれば、なんとかく対抗できそうな気がします。そもそもiPhoneは日本で人気がありますから・・。いくらAndroidが追い付いてきたとしても使い慣れたiPhoneを変えたくないのが一般的な消費者の思いでしょう。
Appleとすれば、XS / XS Maxをもっとプレミアムなブランドに見せて、iPhone XRをミドルレンジに表現していかないと、誤解を受けまくっていてお気の毒な気がしますね。XRがエントリークラスに見せてしまっているのかもしれません(昔の5cのように)。XRをもっと売れるブランドにしないといけない。iPhone SE 2の噂もあるので、注視したいと思います。なかなかの勝負所にあると思います。