orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

なぜ学生にスマホを持たせたほうがいいのか

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学校にスマホを持ち込んでもいいという議論

学校で、学生にスマホを持たせてもいいのではないかという議論が進んでいるとの報道を見かけました。

 

www.asahi.com

柴山昌彦文部科学相は19日の会見で、携帯電話やスマートフォンについて「小中学校は持ち込みを原則禁止」「高校は校内での使用を禁止」という指針を見直す方針を明らかにした。大阪府が18日に公表した、災害時の対応などを考慮して持ち込みを認める案についての考えを聞かれ、答えた。文科省は教職員や保護者の意見を聴き、来年度中にも新たな指針をつくる。

 

10年後は、普通に持たせることになっていると思いますが、改めてなぜ持たせた方がいいのかについて私の意見をまとめておきたいと思います。

 

子どもにとってスマホとは何か

一部の親世代は、子どもにスマホを持たせたくないと言います。少し前はNintendo 3DSでしたし、テレビやマンガだって同じような目に合ってきました。

親世代は自分の子供のときを想像して教育方針を決めるのでしょうが、確実にどんどん環境が変わってきています。今の時代環境を理解しなければいけません。

子どもはスマホを、ゲームのプラットフォームとしてとらえていると思ったら大間違いです。また、SNSをずっとやり続けて友達とずっとコミュニケーションを取っているというのも大間違いです。

子どもにスマホを与えると分かるのは、LINEニュースやツイッターなどから、たくさんのテキスト情報をどんどん読み込んで社会のルールをラーニングしていくということです。子どもと話をするとわかるのですが、自分がネットで知った情報はすでに子どもも知っていたりします。スマホを持っていない子どもはどうするのでしょうか。テレビや新聞から知るのでしょうか。このスマホを持っている/持っていないで、子ども個人が持っている情報量が格段に違ってきます。そして学校の中でも、情報量のある/なしで優劣が決まってきます。かつ、ネットの大量な情報をラーニングする癖のついた子供の国語力は各段に上がります。国語ができると算数や数学、社会、理科、英語と言った科目の成績も伸びます。新聞を読め、本を読め、と言った頭の固い大人が志向する学習行動を、子どもにスマホを持たせたら達成できるとすればどうでしょうか。

また、昨今は、親と子供が一緒に過ごす時間も共働きなどの進行により激減しました。社会のいろいろなルールは本来、親から子へ伝えるべきことなのですが、皮肉にもスマホが教えてくれるようになっています。それぐらい、子どもにとってスマホは大切な情報源ということになっています。

スマホを使いこなしているかどうかで、クラスの中で情報勝ち組/情報負け組が生まれている感すらあります。

 

負の側面をいかにコントロールするか

一方で、スマホには負の側面もます。昨今話題になっていますね。

・SNSで炎上するような動画をわざわざ公開してしまう。
・SNSで失言をしてしまい、いじめにあう。
・YouTubeを延々と見続け、時間を浪費し、成績が下がる。
・見知らぬ人と関係を持ってしまい、事件に巻き込まれる。
・ソシャゲに大量に課金をしてしまい、日常生活に支障が出る。

もちろん、個々についてはとても問題で、子どもが同じような目に合ってほしくない、というのは親の心だと思います。

ただし、子どものほうも実は上記の危険性は、ニュースのラーニングの中で一緒に勉強しています。逆に、世間のことを全く知らずスマホの負の側面に疎い人が、急にスマホを持った時に引っかかっていることが多いのではないかと思います。

スマホを通じてたくさんのニュースを見聞きして、ツイッターのトレンドなども熟知している子どもは、逆に大人と比べてもリテラシーが高かったりします。彼らは、最近の不適切動画の件も全部知っています。なぜそんなことをするのだろう、と憤ってたりします。

むしろ早めにスマホを持たせ、危険性を事前に教育したうえで、ゆっくり使い方を身に着けさせ、使いこなす方向に向けた方が、余計な問題に巻き込まれないと思うのですがいかがでしょうか。

そのうえで、たくさんの情報を入手し処理しつつ、最善手を考えられる情報処理能力の高い人を教育するうえでも、スマホはむしろ武器となるツールなのではないかと個人的に考えています。