orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ここに書かれている「まじめで優秀な人」は昇進しないよねえという感想

 

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まじめで優秀な人

肌感覚で言えば、ここに書かれている「まじめで優秀な人」はそりゃ昇進しないよなあという感想を書いておきます。

 

president.jp

「人事評価が正当に行われていない企業が多い」。労働問題を扱い、数多くの経営者、企業内部を見てきた島田直行弁護士は言う。よくあるパターンは、評価されるべき人がされていないケースだ。もちろん、突き詰めれば、経営者の責任だが、なぜこんなことが起きてしまうのだろうか。あなたの会社は大丈夫だろうか。どうすれば、こんな悲劇を避けられるのか――。

 

考察

原因1、“達成したこと”より“失敗がないこと”が評価される組織

経営者からすれば、失敗するんじゃねえと思います。

失敗を最小化した上で、達成したことをその次に評価されます。

それぐらい、失敗することは企業にとって危険な要素です。いっぱい失敗するからこそ成功事例が生まれるなんていうのはきれいごとです。失敗一つで企業など吹っ飛びます。大企業だろうとベンチャーだろうとその真実は変わりません。

失敗がないことが評価されるのは当たりまえですが、失敗がないという言葉は語弊があり、小さな失敗は小さくしますが、経営者の耳にまで入らない規模に対応しなければいけません。問題を予見し予防線をはったり、リスクの高い仕事を初めから受けなかったり、または顧客とうまく調整して現場の問題に刷り込ませたり・・。とにかく、経営者の耳に入らなければ「失敗がない」ことと同義です。そのような小さな失敗を積み重ねて大きな達成をする人が、評価につながるのです。

杓子定規に、「失敗をマイナスとするから、挑戦がない」なんて言うのは現実にそぐわないと思います。また、何もしなければ失敗しないなんてのも嘘で、何もしないからこそ大きな失敗につながることも多いので、両面から見て、失敗を最小化するのは大きな評価につながります。

 

原因2、部下の成長が評価されない組織

部下が育とうが育つまいが、売上をたくさん持てば評価されるのは当然かと思います。そのための手段として部下を育て自分は新しいことをする。これが正しい組織の姿かと思います。部下が成長しようが、自分の売上が伸びなければ評価されなくて当たり前です。手段と目的が逆です。売上を伸ばすために部下を育て、部下に自分の仕事を譲りつつ新しい分野に自分が切り込んでいくことがビジョンだとすると、部下の成長の有無で評価を変えるのは不自然かと思います。

個人を評価する際は、個人に対する売上の依存度を見ればいいので、何ら間違ってないもいますよ。

 

原因3、個人の業務量が可視化されていない組織

この話が特に現実に沿ってないと思います。

これって、上から降りてきた仕事について達成した量のことを個人の業務量と呼んでいるわけですよね。今後、下りてくる仕事はどんどん少なくなります。RPAやAIがどんどん人間の仕事を侵食していきます。個人の業務量の全体量がどんどん削減されていきます。経営者の視点としては、個人の業務をいかに減らしていったうえで平常業務を安定化するかがポイントとなっています。たくさん業務をやったから評価しろって、シール貼りの内職とは話が違うのです。それはアルバイトと同じような時給計算の仕事の話です。いかに最新の技術を使ってビジネスのプロセスを最適化し、人間の業務を減らしていくかということが主眼になっている時代に、「与えられた仕事を忠実にこなす、まじめで優秀な人」なんてどこの企業も、評価の主軸から外れていると思うのですがいかがでしょうか・・。

さて、いろいろな業務を丸投げにされたくさん抱えている場合に、それだから優秀とか優秀ではないとか言う議論をするのは早計です。そこからが本当の仕事です。その雑多な業務について優秀な人は自動化したりアウトソーシングしたりして最適化・省力化します。そうやっているうちに、その人がいないと業務が回らなくなり、その上のPMが全く仕組みが分からなくなったら勝ちです。PMは不要になり自身がPMに近づくのです。そうやって優秀な人は上を押しのけて評価されていきます。そして、このような自動化好き、最適化好き、現状追認が嫌いな人って、もともと「まじめで優秀」とはかけ離れていて、型破りな人が多いです。

 

まとめ

と言うことで、最近のRPAの動きなど見ていると、「まじめで優秀な人」ほど「マックジョブ(マクドナルドのようにマニュアル化されオートメーション化された仕事)」に回され、賃金が低くなっていくような社会状況にあると認識しています。

雑多な業務を抱えている!というときに、なぜ雑多なのか、整理して減らせないのか、そもそも仕組みがおかしいのではないか。そんな発想を常に持ち、自力で改善をしたり提案ができたりする人が昇進していくと思います。一方で、信頼されない人はたくさんの仕事を振られませんので、チャンスではあると思います。たんたんとこなすだけでは昇進できないということです。失敗を最小化しつつ、部下も含めて利用できるものは利用して売り上げを最大化しつつ、業務量は最小化していく・・。そんな世の中だと私は思います。

 

追記

この話のあとに、下記の記事を読むと、もっとわかりやすいと思います。

japan.zdnet.com

つまり、機械は人間の業務を引き継げるかもしれないが、業務に対する理解を維持するためには、人間は必要なのだ。ロボットは優れたパートナーであるかもしれないが、会社に貢献できる個人の役割を引き継ぐことはまだできない。