基本情報処理試験を受験予定の方は注意(2020年春期~)
経産省の基本情報処理試験出題内容が、2020年春期より見直しになると、本日(2019/1/24)IPAが発表しました。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田 達夫)国家資格・試験部は、国家試験である「基本情報技術者試験」について、AI人材育成のニーズ等を踏まえ、出題の見直しを実施しました。具体的には、プログラム言語の見直し(COBOLの廃止、Pythonの追加)、プログラミング能力、理数能力等に関する出題の強化です。これらの詳細をIPAのウェブサイトで公開しました。
COBOLが消える
特に、COBOLが無くなったのが驚きです。
このプログラミング言語の問題ですが、以下の変遷をたどっています。
・昭和45年(1960年)から「第二種情報処理技術者試験」として実施。平成13年(2001年)より「基本情報処理技術者試験」となる。
・昭和45年(1960年)から昭和51年(1976年)までは、FORTRAN、ALGOL、COBOL、PL/I、アセンブラ言語のうちから一言語を選択
・昭和52年(1977年)からは、FORTRAN、COBOL、PL/I、アセンブラ言語のうちから一言語を選択
・平成4年度(1992年)秋期からC言語を追加
・平成13年度(2001年)秋期からは、FORTRANとPL/Iが削除され、Javaが追加となった。
参考:
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/s44_h6har/old_k2_1.html
したがって、COBOLは試験の発足当初から生き残っていた言語であり、60年の時を経て削除されてしまうことになったわけです・・。
COBOLが厚生労働省の勤労統計問題の原因にされた記事が話題になった翌日に、IPAがすごいタイミングで削除してきたと思うのですがいかがでしょうか。
変更内容詳細
見直しの内容です。
(1)午後試験で出題するプログラム言語の見直し
「COBOL」について、教育機関等における指導言語としての利用の減少、本試験における受験者の選択率の極端な低下により、2019年の秋期試験をもって出題を廃止
「Python」について、適用範囲の拡大と利用の増加、機械学習やディープラーニングに関わる主要なOSSでの採用の広がり等により、2020年の春期試験から出題に追加
(2)午後試験の出題数、解答数、配点等の見直し(適用時期:2020年の春期試験から)
選択問題を構成する分野の統合を実施し、出題数及び解答数を、現行の13問出題7問解答から、11問出題5問解答に変更
プログラミング能力等を重視し、配点を変更
詳細は次の表のとおりです。
見直し後:
見直し前:
(3)午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)
理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上
ということで、丸暗記より、理数能力が問われるようになること。またPythonが登場しデータサイエンスに準じた学習が反映されるようになったといったところでしょうか。
なお、開始時期は2020年春期からですのでお間違いなく。