360度音響が実用化へ
もしかするとVRを超える大発明になるかもしれない。
音に位置情報を与えることで、一つのヘッドホンでより臨場感のある音楽を聴くことができる技術を、ソニーが開発した。「360リアリティーオーディオ」と名付け、新しい音楽配信データサービスを、近く始めるという。
これまで、前後左右から音が聞こえる「サラウンドシステム」は、複数のスピーカーで実現していた。
新技術は、例えばドラムやコーラスは「後方から」、ギターは「右から」など、音に位置情報を与えてデータ化。実際には上下も含め、より詳細な位置情報が付けられる。
これらのデータを同時に再生することで、現実空間と同じ、360度からの立体的な音を再現できるのだという。利用には専用アプリの導入が必要だ。
長年ヘッドフォンやイヤホンで音楽を楽しんでいますが、ライブのそれにはかなわないのがこの音の位置でした。ステレオということは認識できるけれども、奥行きを感じることができません。まずはヘッドフォンでもっとリアルな音楽を聴くことができるようになりそうです。オーディオの世界は意外とCDあたりから進んでいない分野に感じていました。音の圧縮技術だけは進んでモビリティーが増し、ストリーミングが実現したのですが音そのものはCD音質のほうがまだいいぐらいです。この分野についに風穴が空きそうです。
また、この技術はVRにも転用できます。どんなに視覚情報が進んでも、耳から聞こえる音はヘッドフォンであり脳をごまかせない一因となっていました。私もOculus Riftを使いながら音の再現性が弱いなあと常々思っていました。360度のVR映像に360度音響が加われば、脳がとろけるのは言うまでもありません。
スピーカーも進化するのでは?
朝日新聞の記事にはヘッドフォンとだけありましたが、周辺記事を探すと、スピーカーでも実現するそうです。
360 Reality Audioが体験できるワイヤレススピーカーも参考展示。ワンボックススピーカーに複数のユニットを配置することで全方位に音を放射できるとしている。商品化時期や想定価格は未定とのことだ。
こんなの出たら金に糸目をつけず買ってしまいそうだなあ・・。将来的にはテレビと連動して、5.1サラウンドみたいなことができるのでしょうか・・。でも前から鳴るものは前だから、2.1ぐらいで、奥行きが出るのかな・・、興味が尽きないので手に入れたくなるというものです。
気になる記載が
「360 Reality Audio」というらしいこの技術。別の記事をよく読むと気になる記載を発見。
CESのソニーブースでは、13個のスピーカーを配置したマルチスピーカーのオーディオシステムの他、ステレオヘッドフォン「MDR-Z7M2」を使用した360 Reality Audioのデモンストレーションを行う。ヘッドフォンの場合、対応コンテンツがあれば専用機器は必要ないものの、「より良い体験のためには個人の聴覚特性を計測し、再生音に信号処理を施すことが必要になるため、スマートフォンで耳を撮影し、個人の聴感特性を解析するアプリケーションの開発も進めている」(ソニー)
MDR-Z7M2って・・普通のヘッドフォンじゃ。
ソニー SONY ステレオヘッドホン バランス接続対応 ケーブル着脱式 ハイレゾ 大口径70mm振動板 MDR-Z7M2
普通のヘッドフォンで、360度音響をソフトウェアだけでやってしまうということですね!!。ということは、VRの音響もソフトウェアやデータのアップデートで急進化するということにほかなりません。すごいな!。
ソニーによる説明
ソニー出典のスライドが英語なので日本語にしておきます。
従来のヘッドフォン再生
ヘッドフォンでの従来のヘッドフォン再生は、音楽があなたの頭の中の固定された場所で再生されることになります。これは正確にパフォーマンスの方向性と音の位置を再現することができません。
その通り!
新しいヘッドフォン体験のための技術
自然なヘッドフォン体験のためのこの技術は、どのように音を聞き配置するかに関する、我々の長い音響学的および物理学的研究から生まれました。ソニーのデジタルプロセッシングはあなたの耳から任意の地点または距離に空間音像を作成することができます。
本当かよ!
画期的な技術革新
まだ今日ソニーから発表されたばかりの新技術ですが、既存のヘッドフォンでも再現できることから汎用性が高く、かなりの世の中を変えうる新技術だと評価しています。関連商品・サービスが発売されるのが楽しみです。ソニーが停滞するアップルから音楽を取り返す好機なのかもしれません。