orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

一度も失敗したくない若者たちへ

f:id:orangeitems:20190105005812j:plain

 

就職氷河期世代の私が語る

あの1990年代後半の、就職氷河期にどっぷり浸かった40代です。こんにちは。

私はちゃらんぽらんな就職活動をして面接を1社だけ受けてそこに就職するという謎行動をしたため実感がないのですが、そのころは数百社受けて一社も合格しないというほど大変な状況だったようです。

私の場合は、たまたまパソコンが好きで、大きめの下請けIT企業に拾われました。そのころのIT企業は百人雇って百人辞めるという時代でしたから、どんだけブラックだったんだろうと思います。一方で、氷河期にしては簡単に就職できたという具合です。

 

若者は失敗を恐れているね

そういえば、今日こんな記事を読みましてね。

 

news.yahoo.co.jp

教師になることを夢見てきた学生の一部が、その夢に終止符を打とうとしている。学校という職場の過酷な労働状況が見えてきたからだ。全国的には教員採用試験の倍率が低下し、採用倍率が1.2倍の自治体も出てきている。日本の教育は、危機的状況を迎えている。

 私は昨年末、教員養成系大学に籍を置く5名の現役学生たちと意見交換の機会をもつことができた。学生の語りからは、教職をめぐる迷いや決意が見えてきた。ここに、その率直な思いを紹介したい。

 

今の若者って、絶対ブラック企業には入らないぞ。入ったら人生真っ暗だぞ。そんな思いが相当に強いですよね。で、最近はその「ブラック」の概念がどんどん広く定義されてきて、とうとう公務員にまで手が伸びてしまったという次第です。

教師って、就職氷河期の時は、花形職業だったんだぞ。

 

president.jp

 

上記の記事から、下記の図を見てください。

 

f:id:orangeitems:20190105002118j:plain

 

1995~2000辺りのところが就職氷河期ね。すごいですよね。最高で12倍近くあったわけですね。それが今では1.2倍ぐらいまで落ちてしまっていると。

そのころは、山一証券という巨大証券会社が破たんしましてですね・・。

 


1997年 山一証券 自主廃業

 

あんな大きい会社でも無くなっちゃうんだ・・、と世の中は混乱に陥り、一気に公務員は人気になりましたね。だって公務員なら、どんな経済状況でもクビにはならないんですもの。いわゆる身分保障です。

それが時は過ぎ、世の中も変わるものですね。少子化は進み売り手市場が続いているものですから、転職するのはリスクではないとして、できるだけ労働条件のいいところに就こうとしているのがわかります。

氷河期当時は、労働条件なんて全く関係なくて、正社員になることが目標、あわよくば公務員という時代でした。別世界です。

 

情報化社会の悪い部分

最近は情報化社会なんていう言葉すら言わなくなってきていますかね。どんな仕事でもうまくいかないエリアは存在して、そこで悪い経験をした人がSNSなどで共有する世の中になってしまったものだから、悪い情報が散乱しています。

基本的に、いい経験はあまりアウトプットしませんね。悪い経験の方がSNSには圧倒的に多いです。仕事に就く前に、その仕事のエゴサーチをしようものなら、どんな仕事を選んだってネガティブな情報を取り入れることになるでしょう。

私もいろんな会社に常駐して来た経験がありますが、当時の2ちゃんねるに書かれている悪評はほとんどが、個人的な恨みから悪意を持ってデフォルメした情報でした。いい人ばかりでしたし立派な職場でした。結局匿名の掲示板にいいことなんて書かないんです。悪いことばかりが匿名発信で書かれるものだから、なんだかすごく悪いんじゃないかと心配になります。以前転職エージェントからも言われたのですが、SNSなどでエゴサーチしない方がいいと助言を受けました。もし知りたいことがあるなら、きちんと面接で質問して解決したほうがいいと。転職サイトなどで口コミ掲示板など作られている場合がありますが、そこで話している人の大部分が不満を持って辞めた人のネガティブ情報です。満足している人が「満足してます~」なんて書く機会などほとんどないので、SNSからの情報収集は控えた方がいいかなと思います。

 

失敗する前から失敗を恐れている

インターネットの無かった時代って、基本的に情報が欠乏していますから、やってみるしかなかった面があります。そして往々にして失敗するんですが、その数々の失敗から、成功するプロセスを学んでいくということが昔はできました。

今は、いろいろな経験談が溢れています。シミュレーションするには事欠かないんですね。今回の記事の学生が語る教師になりたくない、は、具体的に失敗しそうな他人の事例を見てそう思っています。そりゃあ人間、失敗したくないわけですから、失敗事例を見ると遠ざかりたくなるのはわかるのですが、自分なら成功する、という考えに及ばないのは時代性かもしれません。

失敗サンプルが多ければ多いほど、自分が成功するために利用するのが私の思考なのですが、それはたぶん失敗の味を知っているからだと思うんです。すげえ失敗してきたんですよ私。でも、今後はなかなか失敗しないと思います。失敗の仕方を身をもって知っているからです。若者は、失敗を知らないからこそ、失敗の底知れぬ恐怖を味わいたくないと必死なんだと思います。でも、失敗のない世界なんて存在しないだよなあ。失敗しないように制御しているだけであって。

 

SNSやめればいいよ、失敗するかどうかより経験が大事

無理とわかっていてあえてアドバイス。

多分に、教師になる道を辞めて、別の道に行ったところで失敗すると思います。

失敗するなら、これまで学んだ教師になるための知識を活かした仕事をして失敗したほうが、数倍役に立ちます。

失敗しないように教師になるのではなく、失敗をしながら立派な教師になればいいんじゃないかと思います。ですから、まずはSNSからネガティブな情報を入手するのを意識的にやめた方がいいと思います。

どんな世界を選んでも、一度も失敗しないで成功するのって、ほぼ無理だと思うんですけどね・・。

就職氷河期の教師職の人気っぷりを知っている私にとって見れば、「まだ経験もしていないのに絶望するのはもったいない・・」と思う次第です。