orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

サムスンがコラボした「Supreme Italia」はグレーなのかブラックなのか

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サムスンが偽物とコラボ??

これは面白そうな話です。

 

gigazine.net

2018年12月10日、Samsungが新型スマートフォン「Galaxy A8s」を中国市場向けに正式発表しました。その発表イベントの中でSamsungは、人気ファッションブランドであるSupremeとの若者をターゲットとしたコラボレーションを大々的に告知。しかし、Samsungがコラボレーションを告知したのは本家Supremeではなく、本家とは全く無関係な上に勝手にロゴと名前を使用しているフェイクブランドだったことが判明しました。

 

このGalaxy A8sは液晶画面自体に穴が開いていてそこからカメラが出ているという設計。ノッチすら排除したベゼルのない液晶画面ということで話題となっていた機種ですが・・(個人的にはノッチでいいと思うけど)。

Supremeが運営しているインスタグラムのアカウント@superemenewyorkでは、サムソンと仕事なんかしとらんがな、というコメントが張り出されております。

 

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https://www.instagram.com/stories/supremenewyork/?hl=ja

 

Supremeはサムソンと一緒に仕事をしたりしていないし、北京で旗艦店を開いたりしていないし、メルセデスメンツの走行ショーに参加したりもしていない。これらの主張は虚偽であり、偽造組織によって伝播されています。

 

このあらすじをWIREDが丁寧に解説しています。

 

www.wwdjapan.com

プレゼンテーションでは、両者のロゴがスクリーンに大々的に映し出され、「シュプリーム」のCEOを名乗るアジア系の2人の男が登壇。2019年のうちに北京に7階建ての旗艦店をオープンし、上海のメルセデス・ベンツ・カルチャーセンター(Mercedes-Benz Cultural Center)で初のランウエイショーを開催すると明言した。

 

だいたい、Supremeはニューヨーク発のブランドであるのに、アジア系のCEO二人というところから何か狂った世界観です。

 

火種を探る

本家であるSupreme NYCと、今回偽物と報道されているように見えるSupreme Italiaの間にはドラマがありそうです。火種を探ってみました。

 

まずはSupremeの企業価値から。ここで言うSupremeはSupreme NYCの方です。

 

www.businessinsider.jp

ストリート系アパレルブランド「Supreme(シュプリーム)」の人気は、留まるところを知らない。

そして同ブランドにとって、2017年は素晴らしい1年だった。投資ファンドのカーライル・グループは、シュプリームの企業価値を10億ドル(約1140億円)と評価し、約5億ドル(約570億円)の資金注入を実施。この朗報に加えて、投資銀行パイパー・ジャフレー(Piper Jaffray)が半年ごとに発表する10代の消費動向調査「Taking Stock of Teens」で10位にランクインし、同ブランドがティーンエイジャーにかつてないほど買い尽くされて —— 少なくとも求められて —— いることが分かった。

 

なるほど。世界で大人気であることがわかりました(私の身の回りでこの人気には気が付かなったのですが、今度探してみます)。

 

さて、今回のフェイクブランドと言われているSupreme Italiaの記事を探してみたらなんと。

 

hypebeast.com

今年初めにイタリアでの偽造品を巡る訴訟に勝利した〈Supreme〉であったが、次なる別件の裁判ではなんと敗れるという結果に。今回の訴訟の争点になっていたのは、「International Brand Firm(インターナショナル ブランド ファーム)」社が登録した〈Supreme Italia〉と命名されたブランド。同社はそれ以外にも〈Supreme Spain〉と称したブランドを含む3つのWEBサイトで〈Supreme〉のロゴを使用した商品を販売していた(下記参照)。

 

むむ、イタリアの訴訟で負けちゃったせいで、合法的に販売できるようになってしまった、というわけですね。

 

このSupreme Italiaという会社、2016年ごろにブレークしたとか。

 

イタリアでSupremeのフェイクブランドSupreme Italiaが人気 - FNMNL (フェノメナル)

イタリア中部の都市バルレッタでSupremeのトレードマークをコピーしたキャップ、ロゴパーカーが販売されたのだが、実際よりもロゴが大きい以外はほとんど同じである。しかし、もちろんSupremeとはなんら関係はない。さらにSupremeも創設者のJames JebbiaもSupremeという名前の著作権などは保有していないため、このコピー商品は非合法ではない。

 

まとめると、どブラックだがグレー、という感じですかね。

上記裁判の件もそうですが、どうもSupremeというブランドをロックする力が、本家のSupreme NYCに足りない気がするのですがいかがでしょうか。

 

別件ですが・・

別件ですが、中国のこの話など聞くと、もうとっちらかってしまっている気が。

中国のブランドがSupremeとの偽コラボの発表式にSupreme代表として謎の俳優を雇う - FNMNL (フェノメナル)

動画からは中国のブランドの代表とSupremeの代表が観衆の前でしっかりと握手している様子がうかがえる。しかし、どこか不自然なロゴなどを見れば分かる通り、このコラボはもちろん嘘。HighsnobietyによるとSupremeの代表として登場したこの男性は、OXN側が雇った俳優でSupremeとは何の関係もないそう。よりこのコラボの信憑性を高めるためにOXNが雇ったようだ。

この人誰ですかね・・。

日本じゃ炎上する出来事ですがね。

Supremeが任天堂ぐらい強い法務部を持ってたら違ったのかも。

中国のスマホの性能がどんどん上がっていて、サムスンのビジネスが逆風にさらされる中での中国初のこの騒ぎ、何か裏でもあるのかもしれません。

 

アマゾンでいっぱい売ってるSupremeは本物なんだろうか・・

 

追記

提携を見直すことになったそうです。ちょっとかわいそう。

 

japanese.engadget.com

韓国サムスンは先日、中国にてファッションブランド「Supreme(シュプリーム)」の模倣ブランドとの提携を発表しましたが、現在同社は「提携を見直している」として、その姿勢を変化させています。