orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

偽装請負という言葉より、偽装準委任という言葉の方が的確ではないか?

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システム開発会社に厚生労働省が総点検と是正措置

今日のこのニュースですが。

 

tech.nikkeibp.co.jp

厚生労働省大阪労働局は2018年11月28日、労働者派遣法に関する違反があったとして、システム開発会社のオネスト(東京・文京)とアクサス(東京・新宿)の2社に総点検と是正措置を求める行政処分を出した。IT業界の不透明な労働慣行に警鐘を鳴らした格好だ。

 

別にこの2社でなくとも、他でもたくさんありそうな事例です。

A社がたくさんの協力会社から準委任で人をかき集め、B社に準委任契約でB社のオフィスに常駐させワークをする。指示はB社から直接実施。

かき集められた人たちはA社としてふるまうが、実際はC社であったりD社であったりE社であったり。そして彼らはB社として電話に出る。

私も10~15年くらい前に似たような経験をしてましたので、わかりますよ。

IT業界の不透明な労働慣行、未だに存在す、ですね。

 

言葉がおかしい

よく「偽装請負」として社会問題化するのですが、請負契約で派遣することはさすがにわかりやすくてこの業界でやりずらくなっています。偽装請負と言う言葉自体が浸透し、気を遣う会社も多いと思います。

でも、客と準委任契約を結んで、客先に常駐して、実際は客と打ち合わせをして指示を受けるなんてザラではないですか?

準委任契約だから、請負ではなく、サービスを提供しているのだ。という言い方で、サービスの内容はITサービスであれば、薄目でぼんやりみると単なる派遣になっていることはありませんか?

請負契約ではなく準委任契約なのだから、この準委任契約で派遣を装っている場合は、「偽装準委任」と言うべきなんですよ。しかし今は偽装請負という言葉の中に準委任の場合も含んでしまっています。

「偽装準委任」と表現し問題とする方が最もわかりやすく違法性を感じられると思います。

 

準委任を装った派遣とは?

請負とは成果物の提出を約束した契約。

準委任とは高度なサービスの提供を約束したもので成果物は不要とした契約。

であれば、準委任契約って、客にIT関連のサービスを提供する側面から見ると、派遣と誤認しやすいです。しかし派遣の場合は指揮命令系統は客にあります。勤務表も客に提出します。ところが準委任は客はサービス提供者に指揮することは許されません。契約した高度な技術を客に提供することが目的です。

例えば研究目的で、どれだけの工数がかかるかわからないふわっとした要件、の場合は準委任にして技術提供します。どんな研究成果が出るかわからない状況で請け負うのは無理なので、技術提供そのものを商品にするのです。客には技術がないのであればこれが準委任のあるべき姿でしょう。また、勤務表を提出したり時間で精算したりすることはありません。だいたいは月単位の精算であり、かつ技術提供の品質が低ければそこで契約は打ち切られます。

一方で、提供側は単に人手だけ出しているだけで、指示は全て客からであれば、これは準委任とは呼べません。客が準委任で契約している会社の人々を命令するだけであればこれは実質派遣です。

このように、中身まで見ていかないと派遣なのか準委任なのかわかりにくいので、偽装準委任は横行しやすいのだと思います。偽装請負の場合は、契約時に成果物が何かを決め、それ以外の仕事を客が指示したら明らかにおかしいので、こんなわかりやすい作戦は客も提供側も取らないと思います。

 

まとめ

大昔の経験から言って、常駐する技術者は契約のことを全く知らされず、ミッションだけ言われて現場に行くだけです。どんな契約で向かうかなど営業は伝えません。

しかし、「IT業界の不透明な労働慣行」と言われる中で、一人一人の技術者はもっと自分がどんな契約上で働いているのかをもっと知るべし、と思います。

そして、IT業界によく見られるこの「準委任」という契約において、「あれ派遣じゃないのこれ?」という瞬間があれば、それは上記の記事のように「偽装準委任」かもしれません。顧客から指示を受けるような形で常駐しているのに、派遣契約ではなく準委任契約の場合、知らず知らずのうちに違法な形で労働している恐れがあります。ご注意ください。