orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

次々出てくる退職エントリー、それでもNTTはすごいよ

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NTTの退職エントリーが世間を賑わす

 

NTTの退職エントリーがある界隈で流行しているわけですがーー。

 

kumagi.hatenablog.com

 

anond.hatelabo.jp

 

satoshi.blogs.com

 

それぞれ、事細かに記載してあり意味はよくわかります。退職するわけですから、もちろんNTTに問題を感じ、転職先に魅力を覚えているわけです。そして実際に行動に移すことで成功したと思う方がいれば、転職元は低く見積もられて当然かと思います。

また、上記の文脈は、内資の典型企業であるNTTより、外資の典型企業であるGoogleやMicrosoftが(ある側面から見ると)素晴らしいという意図が強い文書だと思います。

 

しばし考える

一方で、上記文書の文脈を無視して、NTTという存在を考えます。

私がIT業界に入った20数年前からNTTグループは日本国内に君臨していました。国内のかなりのITの仕事にNTTが絡んでいた印象です。少なくとも国や公共団体とNTTは密接なつながりを持っていますし今でもそれは変わりません。NTTの大株主は今もって国・公共団体(2018年現在34.87%)ですから、経営的にもその事実は裏付けられています。

日本があるということはNTTがあると言っても過言ではありません。電力・ガス・水道・鉄道・航空・郵便などの社会インフラと一緒の次元でNTTは「ある」のです。

極端なことを言えば、WEBサービス開発・運営どころの社会的責任ではないのです。今回の件でNTTに対する罵詈雑言が飛び交っているのですが、NTTの全体像をちゃんと把握している人はおそらく(私を含めて)少ない数しかいないはずです。とてつもなく大きい企業グループで、本当にいろいろなことをやって日本を下支えしています。国や公共団体の情報通信分野において利用や政策をリードしているのは間違いなくNTTで、私はNTTが終わるようなら日本も終わると思っています。検索サービスとかスマホとか、ECとかSNSどころの話ではない、時価総額だけで企業の社会的責任を図るべきではないと思うのです。

NTTと、GAFAを比べている時点で、もう全くピントのズレた話だと思います。

GAFAの業務内容と待遇が、NTTの特定社員個人に対してフィットしているのであれば、もちろん職業選択の自由がありますので他の企業に転職するのは全く問題ありません。しかし、企業という単位で考えたときに、NTTの負っている社会的責任と実績が汚されることがあってはいけないと思います。

NTT社員がNTT内部で労働条件について調整するのは正しい行為ですが、インターネットの退職エントリーを見て、匿名の外部の人間がこれを評価するのはNTTにとってもNTT社員にとっても何のメリットもないような気がしてなりません。

 

ちなみに、私はNTTとは全く何の関係もありません。

ただただ、日本国民として、NTTに感謝をし、尊敬をしている一人のインフラ系システムエンジニアです。

 

日本国中の家屋に光回線を引きまくったのも彼らですし、携帯電話のインフラを導入したのも彼らです。競合会社はもちろんいるのですが、市場をリードしたのはNTTですしNTT関係者です。その後、大きなトラブルもなく24時間365日安定運用を続けて経済活動を支えていますし、私の専門であるサーバーサイドにおいてはグループの一社であるNTTデータが大きな存在感を示し続けています。クラウドにおいても、日本のデータセンターであればインターネット回線はNTTがかなり引き込んでいます。どんな立場で見るかでNTTグループのどの会社かは変わってきますがそれはグループ全体で大きな役割を果たしているということの裏返しです。

 

一方で、給与体系に対する批判と人材流出の話題が数多く見られますが、グローバルベースで利益を得ているGAFAと、日本国内で活動しているNTTとではルールは違ってしかるべきです。かつ、社会インフラを支えるに当たって、生産性の低い部分も含めて請け負っているのも知っていて、利益追求だけでは割り切れないことも知っています。もちろん改善活動は大事なのですが、社内のルール造成からガバナンスまで、全部把握し整合性を取って初めて問題点の改善ができると思います。NTTが長い間NTTであり続け、かつ未だに日本をリードしている会社であることは事実であり、それをどのようにガバナンスしているのかは、逆に興味深いところです。今回は不満だけが露出しているようですが、満足なポイントももっといっぱいあると思います。

 

NTTが日本のITを支えている

NTTに所属しないことで、国・公共の責となるゾーンを逃れ自由にITを使って仕事にまい進できることを忘れてはいけません。NTTが民間を圧迫しているとは全く思わず、むしろ日本で一番面倒くさいところを引き受けてくれていると思っています。

GAFAが日本で強い存在感を示しても、NTTがびくともしないのはそのせいです。

GAFAすら、NTTのインフラを使って経済活動をしているのです。

国民がどうやってインターネットにアクセスしているかを考えればわかるはずです。

NTTフレッツやNTTドコモの回線周りは有名ですが、キャリアと呼ばれる通信会社も土管はNTTを半分以上使っています。

ITを使った経済活動をするにあたって、NTTを蔑むことはとても慎重にしなければいけないと思います。もちろん競合となるKDDI、ソフトバンク(通信会社としての)然りです。

NTTの一員であることは日本の誇りであるはずだ、と、NTTの外にいる日本国民として思い、その関係者には今後も自信を持って運営してほしいと思います。