orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

スティーブジョブズの次を見たい | 驚きのないスマートフォン市場

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驚きの無い新製品発表会

サムスンのGalaxy 9 Noteの発表の記事を読んだわけですが。

 

www.itmedia.co.jp

 

スマートフォンが何か変化しても、いざ買っても使わないような機能ばかりで、おそらく世間の人にGalaxy Note9を渡しても、Galaxy Note8を渡しても気が付かないと思うわけです。iPhoneも同じくなのですが、前の世代とこれだけ差が付けられないとなると別にスティーブジョブズ氏のプレゼンスタイルを踏襲した発表会など開くのはそろそろやめた方がいいのじゃないかと思います。

 

こちらiPhone4の発表の様子ですが、このころはどんどんスマートフォンの性能がアップしている時代ですからまだやっていることと見せ方が一致していましたね。


Steve Jobs introduces iPhone 4 & FaceTime - WWDC (2010)

 

 

今や形だけが昔のまま。実際には全く革新的なことはできていないという妙な状況になっていると思います。たとえで言えば、冷蔵庫のニューモデルが出たとしてもこんなジョブズ的プレゼンはしないでしょう。「前のモデルと比べて20%よく冷えます!」って言う声に誰も耳を傾けません。市場としては継続すると思うのですが、あたかもイノベーションを起こしているような体で扱うのはもう無理がある状況にあると思います。

2年で端末を切り替えていくスタイルももう無理があると思います。冷蔵庫を2年おきに買い換えますか?。エアコンを2年おきに買い換えますか?。一台10万以上もする機械の寿命が2年というのは短すぎます。もちろん革新が続いている最中は買い替えの理由はついたのですが、現在の状況は説明が付かないところまで来ていると思います。もはやそれを消費者に悟られたくないために、あたかも革新的であるというメッセージを必死に送っているようにしか見えません。

 

スティーブジョブズの次を見たい

Windows全盛のときのiMac、CD/MD全盛のときのiPod、ガラケー全盛のときのiPhoneなど、何もないところにぶち込んできたのがイノベーションだったのですから、消費者目線で言えば革新的なデバイスと言えばVRぐらいしか最近は現れていないように思います。

もうジョブズの没後から10月で7年が過ぎようとしています。「こんなの売れるわけないよ」と酷評されるものの、それに反し大ヒット、となるような製品が生まれないでしょうか。ゲームを見ても続編ものばかりです。マーケティングの結果編み出された最大公約数的な商品企画ばかりで経済が成り立ちつつあると思います。リスクマネジメントの徹底の結果かもしれませんが、ここ最近はつまらないですね。

西暦2000年あたりは、ヨドバシカメラに一日中いても飽きなかったものですが・・。

 

次の革新はどこにあるか

じゃあ具体的に、その革新はどこにあるか。

もちろんそれがわかれば誰も苦労しません。革新というのはデータがありません。過去のデータから傾向分析をして、ヒットしそうだというので生まれるアイデアは革新ではなく、最適解です。突き詰めていくと今のスマートフォン市場のように最適に行きついてしまいます。全く何もないところから発想し、トライするのが革新です。とすると、AIやデータサイエンスの領域からは何も出てきません。

とすると、革新は誰かの頭の中にある、が正解です。AIによるビジネス革命が今テーマにはなっていますが、むしろ人の頭の中にある革新をどう取り出すか、そしていかに製品化しやすくなるかこそが、人間の進化にとって素晴らしいことなのだと思います。

昨今はビッグデータを人間が扱いやすくなったため、データをどう利用するかばかりが脚光を浴びています。ただ原則はデータの外に革新があることを忘れないようにしなければいけません。データばかり追いかけているので、当たり障りのない商品しか出てこなくなっている可能性を感じます。

 

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン