通勤ラッシュを改善せよ?
今さら日経新聞で通勤ラッシュを改善せよという記事が出ています。
大都市の通勤電車の混雑がいっこうに改善しない。1日1~2時間を窮屈な空間で過ごすストレスは大きい。通勤ラッシュは働く人の意欲や健康にも悪影響を及ぼし、ひいては職場の生産性向上の妨げにもなりかねない問題ととらえるべきだ。時間差通勤や在宅勤務など働き方の見直しも含め、改善策に本腰で取り組む時だ。
本腰で取り組む時だ、と言われてももう数十年来通勤電車は混雑しっぱなしです。なぜ今なのかと言われても合理性はないですが、確かに通勤ラッシュのない世の中になるとうれしいですね。地方の人との生活の質を比べた時に、通勤だけは都会民の大きなマイナスポイントだと思います。
なぜ通勤ラッシュが起こるか
おそらく、通勤ラッシュを改善したら鉄道各社の経営が傾くかと思います。根本的な改善は絶対にしないと思います。
何を言っているか。関東の場合で説明しましょう。
・住居が西にありオフィスが東にある、Aさんがいます。
・住居が東にありオフィスが西にある、Bさんがいます。
・西→東も、東→西も、毎日通勤ラッシュが大変です。
このとき、AさんとBさんの住居を交換するとどうでしょう。あら不思議、AさんもBさんも通勤ラッシュなしになります。しかも通勤時間も大幅削減です。
つまり、住居とオフィスの場所がミスマッチなのが根本の問題なのに、これを解決しようと誰も思っていないから通勤ラッシュは解決しないのです。もしくは人口が減るしかないのですが、人口が減っても電車の本数が減るだけなので長い間解決されることはないと思われます。
どこに住むかは人の自由なのですが、引っ越し代もかかるしなかなか個人で最適化するのは難しいものです。かつ、転勤や転職・入学などによりオフィスが変わる可能性もあります。このような状況の中で、住む場所と働く場所のギャップを解決できれば自ずと電車の利用者は減るはずです。
しかし、電車の利用者が減れば鉄道会社の収入は減りますから、
・電車の本数を増やします!
・ダイヤを改正します!
・複々線化します!
などなど、より電車の利用者数を増やす形でしか努力しません。
最近の時差通勤を進める運動も、電車の利用者数を減らさないでラッシュを緩和させる苦肉の策としかいいようがありません。
しかも企業は、社員の交通費は全額出しますから、遠距離通勤をしていても社員は遠くに住もうが近くに住もうが見た目の経済的な負担は変わりません。
社会全体で、矛盾に目をつむっているように見受けられます。
こんなサービスいいかもね
中古マンションの売買、ではなく交換を融通する会社があれば面白いかと思います。また、交換にあたって、上記のAさんとBさんのような、通勤を減らす組み合わせである場合は地方自治体などが補助を出せば、仲介手数料と引っ越し代と、補助が釣り合えば、安価で通勤にかかる移動量をぐっと減らすことができると思います。
また、上記を行えば、会社が社員に支払う交通費も減少しますし、社員の空き時間も増え生産性も向上し就労に対する満足度も向上します。会社側にもメリットがあります。
勤務終了後の空き時間が増えれば、少子化対策としても有効なのは間違いありません。長い通勤時間では、子づくり、子育てから、家事の分担など、無理が生じます。
このギャップをWEBサービスと行政の補助が組み合わさり、あまり費用を使わず引っ越しできるのであれば、電車の人数が間違いなく減るのになあと思う次第です。
当然、所帯は家族それぞれで行き先が違い、シンプルに住居の交換ができずらいかもしれませんが、それであっても一人暮らしへの適用や、子供がまだ小さいうちの住居の最適化ができれば、有効な対策になります。
このように、もし通勤ラッシュを改善して国民全体の生産性を上げたいのであれば、職住近接の観点を持ち、これを仕組みで促していくことが重要だと思います。