orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

男性優遇社会が可視化されただけの東京医大受験問題

f:id:orangeitems:20180802123819j:plain

 

東京医大の受験問題

今日は1日、この話題で持ち切りですね。

 

www.yomiuri.co.jp

東京医科大(東京)が今年2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話でわかった。

 

憲法からも男女機会均等法の観点からもこんなことが許されていいはずがありません。何の言い分も意味をもたず、ただただ愚かな所業であることがわかります。こういうことを忖度と言うのですね。

 

 

日本社会の縮図では

しかし。

 

私は東京医大だけ責めて終わったことにするのなら全く何も前に進まないと思います。というのは、このような男性優遇は日本の至る所にはびこっているからです。民間会社の就職活動でも絶対的に男性有利です。特に年齢を重ねるごとにその傾向は強まっていきます。会社にも言い分はあり、女性は離職する可能性があったり、不規則な勤務条件には耐えられないといった、このニュースと全く同じ理由を持ち出します。しかも、受験と違い就職活動は点数をつけないので、「なんとなく」会社を見回すと男性社員ばっかり、ということが起こります。

したがって、今回はたまたま文科省の汚職事件に絡んで発覚した話なのですが、単に男性優遇社会が可視化されただけだと考えています。

どこの学校でも、企業でも、行われています。受験制度で同様なことをシステマティックに行おうとすると、このように女子だけ一律減点という表現になるのでしょう。ただ民間企業だと点数などつけず、役員が口に出さず女性に辛めの評価をするのですから、このニュースを見て叩いている人が本当に潔白なのかは疑わしいものがあります。

 

日本人は、他人にはめいいっぱい厳しく、とくに顔の見えないインターネットではその傾向は増幅しているように思います。こうするべきだ、これは愚かだ、そんな意見でコメントがあふれています。コメントしている人間すら、いつコメントされる側に回るかもしれません。もともとコメントする側もされる側もないのです。みな人間です。他人には厳しいことを言っておいても、自分の身の回りには甘い。見つからないから大丈夫。そういう構造になっているから、こんなに炎上しやすい社会になっているのだと思います。

 

もし、東京医大の件が本当に社会悪だとするならば、まずは全学校法人の受験実績に今回のような男性優遇が発生していないか、外部の人間が監査するべきでしょう。学校法人は自主性の尊重のもと、社会通念では認められないような運営を行っても外部に露出しない傾向にあるのは間違いありません。いわゆる「内部統制」と言われている分野です。理事会や理事長など権限を持った人の言うままになり、モラルハザードが起きるということを意味します。これに対して基本的には第三者が定期的にチェックをしないと正当性が証明できません。

「やり方がおかしい」というのは、やり方を絶えず確認しないといけないわけで、東京医大の受験制度が特別他の学校と比べて違わないので、他の学校もやっているねという推論は導けると思います。

 

まとめ

結論としては、「みな、このニュースを見て、東京医大のことを責めているけど、自分の身の回りは潔白なんですかね?、本当に責められますか?」ということです。世の中を見ているとここだけの話じゃないと思うのですがいかがでしょうか。男性ばかりという職場がたくさんある日本社会において、特定の誰かを叩いて意味がないと思うのですが。

 

 

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール