Apple社、依然として絶好調
iPhoneで突き進むApple社ですが、2018年4~6月の決算も好調だったようです。
米アップルが31日発表した4~6月期決算は純利益が前年同期比32%増の115億1900万ドル(1兆2880億円)、売上高が同17%増の532億6500万ドルだった。いずれも4~6月期として過去最高。スマートフォン(スマホ)の需要は停滞期を迎えているが、販売単価を2割近く引き上げて6四半期連続の増収増益を確保した。腕時計型端末などスマホ以外の製品やアプリ販売の手数料収入も市場予想を上回り、アップルの株価は時間外取引で急上昇した。
iPhoneXが当初、値段が高すぎて生産台数が予想を落ち込むだの、iPhone8/8plusにはイノベーションがないだの叩かれていましたが、ビジネス戦略としてはその見方を覆しました。それだけiPhoneというプロダクトが素晴らしいユーザー体験をもたらしてくれるという事実にほかなりません。
対抗のAndroid勢もがんばっているのですが、両方触るとどうしてもiPhoneの優位性が見えます。今やアプリケーションはAndroidでもリリースされますからどちらでもいいように思われますが、いざ使ってみるとiPhone版の方が手触りという意味で優れている印象です。また、もともとのOSとしての出来がiOSが素晴らしく、電源管理にも優れているのでバッテリーはiPhoneの方が容量的には小さいのに、電池持ちはAndroidの方が悪いという妙な状況になってしまいます。何しろスマートフォンとしての出来が秀逸なのがiPhoneです。Androidも新機能ばかりに注目せず、OSとして再設計しなおさないと勝ち目がないと思います。むしろ、Googleが新OS、Fuchsiaで挑戦したいのはそこかもしれませんね。
ビジネスとしてのリスクは残る
スマートフォンという軸で見ればiPhoneの優位性は揺るがないのですが、ガラケーが一夜にして市場消失したように、何か全く新しい体験を持つデバイスが代替する恐れがあります。そうするとエコシステムをiPhone中心に作り上げているApple帝国も盤石ではありません。
以前、日本でパソコンブームが起きたとき、様々な企業が参入したにも関わらず、NECがPC-88/98シリーズで市場を席捲し盤石な地位を築いていた時期がありました。IBM-AT互換機、DOS/V、Windows 95と言う組み合わせが海外から飛来し、数年でNECのシェアは相当に縮小してしまいました。PC-88/98の全盛期のNECの存在感は、まさにAppleのそれと匹敵するものでした。PC-88/98の勢いは永世のものだと考えられていた時期もありました。世の中には必ずはない、ということは歴史が示しています。
スマートフォンがいらない時代が何を示しているのか、ビジョンはまだ誰も示せていませんが、それを実現するのが他社なのか、Apple自身なのかはともかく、リスクはそこ一点にあると言えると思います。
Appleの過去を見て驚く
Appleの過去をまとめているページがあり紹介しておきます。
面白いな、と思った部分を抜粋します。
・Apple I、Apple II、Apple IIIの流れの中で、Apple IIIは逆に売れず販売中止。Apple IIを主力にしていた
・途中からMacintoshというブランドを立ち上げる。これがのちのMac。
・キヤノン販売が「ダイナマック」という日本語を扱えるMacを作っていた。
・企業向けPCを狙っていた時期もあった(SCSIポートの搭載など)。
・シャープと提携したことがあった。このNewton MessagePadって、iPhone/iPadの源流にあるのかもしれない。なんでもやっておくものだ。
・「松下電器産業、フィリップス、オラクルがアップル買収を検討している」と米業界誌が報道、なんともバブリーな話。
・パイオニアがMacOSのライセンスを取得。あのパイオニアがねえ。
・HPの買収話。買収していたら今の姿は絶対にない。
まあ後は良く知られたiMacとジョブズの話なので割愛します。
キヤノン販売やパイオニアやシャープ、松下(パナソニック)などが出てくるあたり、今のAppleしか知らない世代は驚くのではないでしょうか。
ビジネスの世界に絶対はありません。iPhoneを脅かすような素晴らしいイノベーティブデバイスの登場を待ちながら、実際のところiPhoneを使い倒す日々です。