orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

5GとSSDが次世代ITインフラの本命となる

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インフラエンジニアを悩ませてきたボトルネック

現在のITインフラ、クラウドもオンプレミスもひっくるめて、一番のボトルネックはどこにあると思いますか?。

1つはインターネットの速度。もう1つはストレージです。

インターネットの速度が遅いと何が起こるか。WEBサーバーのセッションを長い時間占有してしまいます。端末があって、画像やテキストなどのコンテンツをダウンロードするのですが、もちろんダウンロードし終わるまでは1セッションを確立していなければいけません。瞬時にダウンロードしてくれれば1つのサーバーからたくさん配信できるのですが、特にモバイル中心の現在だとこの遅さを許容する設計にしなければいけません。現在は、CDNというサービスを利用することで、CDNネットワークの末端にたくさんのコンテンツサーバーを配置して配っている状況です。ただしCDNは動的なページを表示させることはできないので、根本的な解決にはなっておらず設計を難しくしているポイントとなっています。具体的には動的なページはキャッシュせずにアプリケーションサーバーに問い合わせに行かせるなどの設計を行います。

もう1つ。ストレージの遅さです。ハードディスクは遅いとよく言われますが、昔と比べて遅くなったわけではなく、読み書きのスピードに限界が来てしまったのに、1基のハードディスクの容量が巨大化してしまったということが起因しています。SATAのハードディスクが今や12TBまで来ました。12TBもあったら全部保管できる~、というのは呑気な話で、障害が起きたら消失する単位が12TBになったということでもあります。しかも、この12TBをコピーして違うデバイスにコピーするスピードが絶望的に遅い。特にハードディスクの特性上、ランダムアクセスに非常に弱いので、システムとしてこのような大容量ディスクを使うのはバックアップの保管の用途だけという頭で使っています。ただ、このバックアップ用の大容量ディスクに複数のシステムから書き込みを行うとそれだけでかなりのボトルネックになってしまうので、できるだけ使いたくないデバイスに成り下がっています。1TB x 13 x RAID5、などとすると少しは早いのですが、そうするとディスクの本数が増えて、ディスク破損の確率も増え、数年すると毎月のようにどこかのディスクが壊れるということになります。

 

5GとSSDが次世代ITインフラの本命となる

最近の5GとSSDのニュースは、上記のボトルネックを美しく解消すること間違いなしです。

 

japan.cnet.com

次世代のセルラー技術である5Gは、無線ネットワークの速度、通信距離、応答性を大幅に向上させると期待されている。今日の標準的なセルラー接続の10〜100倍の速度が達成可能で、家庭に敷設された物理的な光ファイバケーブルを使用するどのような手段と比べても、それ以上の速度向上が期待できる。テレビ番組の1シーズン全体が数秒でダウンロード可能で、医師によるリアルタイムの遠隔手術も可能になる見込みだ。

 

 5Gによって家庭の光回線まで無くなってしまうのかどうかはともかく、可能性としては端末の持つネットワークのボトルネックは解消されることになります。そのためWEBサーバー側は後述の次世代SSDのようなストレージと、太いインターネット回線があれば大量の端末にコンテンツを大量配信できるようになります。これまではロードバランサーと複数台のWEBサーバーの組み合わせが鉄板でしたが、台数自体は少なくてもカバーできるようになると思います(むしろAZを分割することの方が重要)。

 

pc.watch.impress.co.jp

2.5インチサイズのSAS SSDでは、世界最大容量となる32TBモデルの出荷も開始するという。この32TB SAS SSDを利用すれば、HDDを利用する2ラックサイズのストレージサーバーと同容量を、2U×2のサイズで実現可能になるとともに、読み出し速度も第4世代V-NANDの採用によって従来よりも2.5倍高速になるという。

 

ドライブ1基が大容量化するとともにその読み書きスピードがそれに合わせて高速化していくことが、ハードディスクの終焉・SSDの進化で現実になりそうです。そうすると何が起きるか。無理に小容量の複数ドライブでRAIDを組まなくてもよくなります。32TBのSSD1本と別の2本にレプリケーションしておくなどハードディスクでは考えられないような運用ができます。ハードディスク時代のRAIDは、いろいろと問題を起こしていたことはインフラエンジニアの業界では有名です。RAIDを組んでいたのに3本同時に壊れたとか、RAIDの再構築が数十時間終わらないとか、再構築中にもう一本壊れたとか・・・。大容量高速SSDの登場でストレージのアーキテクチャーがもっとシンプルになると思います。大容量が欲しいのではなく、ほぼ壊れないストレージが登場することになりそうです。

特に、ハードディスクは、読み書き時にはヘッドを動かしアクセスするので、振動が生まれるのですが、その振動に弱いというジレンマを抱えています。近年は扱うデータが巨大化しているのでディスクの本数も物理的に増え、保守されている方は毎日のようにオレンジランプのお世話をしているのではないかと思います。SSDでは電気信号の交換だけで済みますので振動に強いと言われています。保守もずいぶん楽になることになります。

 

 

バックアップの考え方が大きく変わる

大きなデータを瞬時に、SSDから読み出し、5Gで、別拠点のSSDに送る。

この設計ができるようになると災害対策が相当に楽になります。今のTB級のデータを他の拠点に送るのはかなりの無理ゲーです。重複排除などの技術もあり、細い帯域で素早く送る研究もされていますが、そもそもストレージの読み書きが遅いのです。道も細ければ車も遅い。重要データだけ転送するので精一杯なシステムも多いと思います。

次世代インフラの場合は、道が太くなり車が激速になり、しかも車の台数も増えるイメージです。

 

アフター次世代インフラ

5GやSSDのほかにも、CPUの多コア化や、パーシステントメモリーの話もあり、5年くらいの間に大きな変革が起こるのではないかとにらんでいます。

 

cloud.watch.impress.co.jp

 

pc.watch.impress.co.jp

 

全部組み合わせたときにできるその姿は、数Uでクラウドの能力を凌駕すると思われ、再度「クラウド?オンプレ?」の議論が復活するでしょう。HCIのように仮想化技術をプリインストールしプライベートクラウドを提供するスタイルが、もっと物理的にサイズが小さくなり、かつ性能が飛躍的に向上することによりぐっと魅力的になることも容易に考えられます。

 

私も今はクラウドに避難していますが、「壊れないオンプレ」「2Uですべて賄えるサーバー」が出てきたらまたオンプレに戻りたくなってしまいますね。次々出てくる新技術に注目しています。

 

 

すべてわかる 5G大全2017