現実に勇者はいない
日本のゲームタイトルを見ると、主人公、もしくは主人公を固めるわき役も含めて、十代後半が多いですよね。特に、ロールプレイングのようなキャラクターが強いものになるとその傾向は強まります。
世界が破滅しそうになり、悪の首謀者がいて、それに立ち向かう運命の主人公(若い)、という話はもう何度も繰り返されています。不思議なことに、ジョブ、という職業めいたものがあり、戦っているだけで、新しいスキルを覚えていったりします。複数のキャラに多彩なジョブを用意し、いろんな成長を通じてゲームが進行していくという仕掛けです。
一方、この世の中にて、ゲームのような状況は一切ないのは面白い。例えば、17ぐらいの少年は社会でどんな扱いをされるかとうと、アルバイト扱いであり、しかも通常のアルバイトの給料より100円ぐらい下という有様です。むしろ大学を卒業し有名企業に正社員で就職できたとしても、30代になるまでは見習いのような扱いを受けます。なぜ、ゲームの世界はこんなに現実の世界と乖離してしまっているのでしょうか。最近のゲームは絵や音楽などの演出はきれいになっていますが、現実と乖離しすぎてしまっていて没入感がありません。ファンタジーなので現実のことを反映する必要はないのですが、それならば、なぜそうなのかをもっと作りこまないといけないと思います。
また、よく使われるジョブシステムですが、結局現場は同じ(フィールドでモンスターと戦う)なので、なんでジョブ、例えば黒魔導士だ戦士だという自覚だけで、新しいスキルを覚えるのかも不自然です。現場が同じというのがポイントで、やはりジョブという以上は現場は違うはず。黒魔導士がジョブなら、黒魔導士たちが集う結社で、まずはエクセルでの資料作成から始まり、そこから先輩の黒魔導士と客先に付いて行って先輩のマネジメント力に関心しながらその成果物をみて盗んでいくみたいなことをしないと、スキルなんかつくわけない、と思いませんか?
フリーランスの世界は近いか
最近は、IT業界では、フリーランスで働くという選択肢が増えてますよね。IT業界のなかでも実はジョブのようなものがあって、いろんなスキルによって名前が分かれています。
・システム要件定義・上流設計を行うシステムエンジニア
・下流設計・プログラミング・テストを行うプログラマー
・プログラマーも言語によって特徴が出る
・インフラ系に強いインフラエンジニア
・サーバー系、ネットワーク系、最近だとクラウドも差別化要因
・セキュリティー、運用系もあり
・特定のミドルウェアに強いエンジニアも重要
・SAPやSalesforceなど
・Web系に強いWEBエンジニア
・言語とは別に、デザインやUIの分野で活躍
フリーランスの中でも、勇者みたいな人はどこかにいて、知る人ぞ知るみたいなことってあるのでしょうか。きっと高スキルの人はいらっしゃるとは思うのですが、スキルが高ければ高いほど、それに相応した給与が見合う現場も限られてくるのではないかと思います。勇者は世界を滅ぼすほどのインシデントがあったからこそ、勇者のスキルを使えたわけですが、平常時ならば暇を持て余したのかもしれません。
そういう意味では、ゲームの中でのギルドすなわちフリーランスへクエストを与える機能は、人材紹介会社として実装されました。最もゲームっぽい存在が人材紹介会社というのも皮肉なものです。ゲームでクエストをやるときは、中抜きされてるのかな?とは考えたことはなかったですがね。
ゲームをさかのぼると
考えてみれば、ゲームって、人が主人公ではなかったですね。
例えば、ブロック崩し。
なぜ、ブロックを崩すか。
そこにブロックがあるからですよね。できることも右か左しかない。
それでも、かなり熱中した思い出があります。
パックマンだって
こんな黄色の丸だったわけですしね。
ルービックキューブも。
https://www.google.com/logos/2014/rubiks/iframe/index.html
きっと、今の日本のゲームって、なんとか辻褄をあわせるためにいろんな設定を入れ込みすぎて結果的に現実と矛盾していることが強調されてしまっているような気がします。絵も音楽も演出過多で、ゲーム本来の要素とは関係ないかも。
もうこれぐらい割り切って、設定をあんまり入れないで、ゲーム本来のシステムだけでゲーム化すべきかなあと思います。