orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

米中貿易戦争、中国が反撃開始。米マイクロン・テクノロジーなどへ独禁法違反で巨額制裁金検討

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米中貿易戦争、中国が反撃

現在、ZTEは、アメリカの制裁により事業停止状態に追い込まれています。この打開に向け1800億円近くをZTEがアメリカに納めつつ、いろいろな制裁を受け入れることにより事業再開の道を探っているというニュースがありました。

 

米政府、中国ZTEに近く罰金最大17億ドル請求の可能性 | ロイター

トランプ米政権は近く、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)(000063.SZ)に対し、最大で17億ドルの罰金を請求する可能性がある。事業存続を認める代わりに制裁を科し、監視も強化する方向で検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

 

この件においては、ファーウェイもやり玉に挙げられていて、中国がこのまま黙っていることはないだろうと思ってはいました。

 

米国が「中国スマホ」を販売停止にした制裁がジワジワ効いている - まぐまぐニュース!

アメリカのCIAやFBI、国家安全保障局(NSA)などは、アメリカ国民に対して、ZTEやファーウェイのスマートフォンを使用すべきではないと警告してきました。

 

本日、中国の反撃の一手とも言えるニュースが発表されています。

 

中国、米半導体大手など調査=独禁法違反で巨額制裁金も:時事ドットコム

【北京時事】中国メディアは2日、中国当局が独占禁止法違反の疑いで、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの半導体大手3社の調査を始めたと報じた。合計1兆円近い制裁金を科される可能性も伝えられる。

 

韓国が巻き込まれているのがお気の毒なのですが、中国から見たら韓国はアメリカのゾーンなので意味は同じなんだろうと推察します。いろいろと中国もカードを探したんでしょうね。

 

ZTEの声明を見ておこう

ZTEのホームページには、アメリカの制裁に対する声明が掲載されています。日本語にしておきます。

米国商務省による「拒否命令」の有効化に関するZTE Corporationの声明

ZTE Corporation(以下「ZTE」という)は、2016年4月以来、輸出管理コンプライアンスに関する過去の経験からの教訓を継続的に反映し、輸出管理コンプライアンスを重視しています。ZTE内では、コンプライアンスは当社の事業の基盤およびボトムラインとみなされています。

ZTEはCEO直属のコンプライアンス委員会を設置しました。経験豊富な輸出管理コンプライアンス専門家からなるグローバルチームを築きました。ZTEの輸出管理コンプライアンスの構造、システム、手順を確立し、最適化するための専門家の指導を提供するためにいくつかの世界的な相談員とコンサルタントを務めました。SAPグローバルトレードシステム(GTS)の導入と導入。65,000人以上の従業員を対象としたコンプライアンス研修 米国政府が指定する独立したモニタと総合的に協力して、米国政府との関連する契約および適用可能な輸出管理のコンプライアンス要件のZTEによる実施に関するモニタのリアルタイムで透明な監視を確保し、2017年だけで132,000ページを超える文書を提供した。

しかし、産業セキュリティ局(以下「BIS」という)は、過去の違反に関与した特定の従業員に対し、ボーナスをタイムリーに削減せず、懲戒令状を発行しなかったことを理由に、2018年4月16日、米国政府に対応して虚偽の陳述を行った。

ZTEは輸出管理コンプライアンスプログラムに勤勉に取り組んでおり、輸出コンプライアンスに多大な資金を投入しており、2016年以来大幅な進歩を遂げています。BISは事実調査の完了前でもZTEに対して最も厳しい処罰を不当に課した。アメリカは下記の事実を無視している。 (1)ZTEが連絡文書の問題を自己確認し、直ちにZTEによって自己報告されたこと、および、ZTEの継続的な努力と輸出コンプライアンスの進展(2)当社は、この事件の責任を負う可能性のある従業員に対して措置を講じている。(3)直ちに是正措置がとられた。(4)有名な米国の法律事務所が独立した調査を行うために従事している。

拒否命令は、ZTEの存続と発展に深刻な影響を与えるだけでなく、多数の米国企業を含むZTEのすべてのパートナーに損害を与えることになります。

いずれにしても、ZTEはコミュニケーションを通じて問題を解決する努力を断念することはなく、必要に応じて当社と従業員および株主の法的権利と利益を保護するための司法手段を講じる義務を履行し、グローバルな顧客、エンドユーザー、パートナーおよびサプライヤーに責任を負うことができます。

中国を拠点とするグローバル企業として、ZTEはすべての従業員をひとつにまとめるとともに、最終的な解決を容易にするために最善の努力を尽くして協力し合います。

https://www.zte.com.cn/global/about/press-center/news/20180600001/20180420-1

 

要するに不当だと言っているわけですね。

 

おそらくまだ始まったばかり

2か月ほど前に米中貿易戦争を考察していた記事があります。

米中貿易戦争が導く未来をデータから検証する - orangeitems’s diary

正直言って、ZTEが事業停止しても、1兆円ぐらいのお金が右から左に動いても何にも変わりません。アメリカが狙っているのは中国との貿易赤字の恒久的な減少です。したがって、ZTEやファーウェイの件はジャブであり、今回の独占禁止法の件も威嚇にしかすぎないです。

そもそもの産業構造を変えてしまわないと、中国に対する年間30兆円規模にもつみあがった貿易赤字を解消できるはずがありません。

これだけ大きい数字だと、本格化したら実弾が乱れ飛ぶのではないか・・と思います。まずは予想通り状況がエスカレートし始めました。ウォッチを続けたいと思います。