サイトブロッキング実施へ
NTTグループは4月23日、サイトブロッキングに関する法制度が整備されるまで、短期的な緊急措置として、3つの海賊版サイトに対してブロッキングをおこなうとホームページ上で発表した。準備が整い次第、実施するという。
考察
2018/4/23現在、政府に名指しされた3サイト(漫画村、AniTube、MioMio)のうち、漫画村に関してはDNSからの削除、AniTubeについてはオリジンサーバーの解除、MioMioについては動画再生プログラムの解除と言う形で、運営は停止状態です。ただ、MioMioについてはジオブロッキングにて、日本のIPアドレスからだけ別の画面を表示しているような気がしてならないです(確かめようがない)。
ジオブロッキングは以下の通りです。
「海賊版サイト対策へ本当に手を尽くしていたのか、権利者団体に聞く」技術的理解を深める - orangeitems’s diary
したがって、今回サイトブロッキングに踏み切ったことは、政治的な意味が強いと思っています。もし次に、顕著な被害を示すサイトが現れたときに同様な対策を即座に取ることができるためです。
もちろん、秋の新法案を整備することで、このような緊急措置は無くなっていくと思います。ただそれまでも、何か悪質なサイトが出現する可能性は十分にあるため、まずはやるんだという姿勢を見せておくことは非常に正しいと私個人は思います。
もちろん、広告代理店への追求がサイトブロッキングより勝る、というような事例も今回生まれていますし、CDNのエッジが国内にあるからそこを追求するという案もありました。ただ、MioMioについてはサイトが中国にあり、CDNも使っていなかったりして、基本的にはIPアドレスのブロッキングやDNS名前解決のブロッキングは広範な被害を抑える緊急避難的な措置としては上出来だと思います。ただ、技術的にはVPNやProxyなどで回避できるのは事実ですし、そこも含めていかに効果的なブロッキングをするかというのは、新法案の出来にかかってくると思います。
また、繰り返し書いているように、何を持って悪質サイトとするかという議論も必要です。
さて、各プロバイダーが「どのように」サイトブロッキングするのかについては記載がありませんので、新しい情報が入りましたらまた考えてみたいと思います。