orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「『コンテナ疲れ』と戦う、k8s・PaaS・Serverlessの活用法」を迷えるエンジニアは読もう

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コンテナ技術のカンファレンス

Japan Container Days v18.04という、コンテナ技術をテーマにしたカンファレンスが2018/4/19に東京のベルサール神田で行われました。

prtimes.jp

東京にいると、こんな刺激的なイベントが毎週のように開催されていて、IT関係の技術者は居心地がいいと思います。

このカンファレンスの中で、Pivotal Japanに在籍されているKazuto Kusamaさんのスライドが超よくできているので、ぜひご紹介したいと思います。

 

おすすめのスライド

こちらです。

 

www.slideshare.net

 

私はクラウドを重用するインフラエンジニアで、かつ、界隈ではコンテナ!クーバネティス!サーバーレス!ってうるさいものですから、情報収集は欠かさず行っています。ところが、なかなかそういう仕事がこない。コンテナ使っていないのに、すでにコンテナ疲れしています。

そもそも、Dockerにしろk8sにしろ、無愛想なインフラエンジニアの存在を無視して開発エンジニアだけでインフラまで自動化しちゃうおう、という魂胆が見えるので、非常に苦しさもありました。モノリシックである前提でインフラエンジニアはいますからね。ロードバランサー一丁!喜んで!、冗長化設計!喜んで!、という感じです。それをk8sなんかで自動化されたら取りつくシマもないです。また、PaaSとかでサーバーレス、なんてやられてしまったら、サーバーがレスなんですから、インフラエンジニアもレスでしょうね。お茶でも飲んでますかね。

で、戦々恐々としてたんですが、仕事はこないですね。このスライドにもあるのですが、Dockerにしろk8sにしろ、結局はインフラを知らないと使えなそうです。Dockerfileを書いてたら半日過ぎてたということですが、それっておそらく今までインフラエンジニアがやってた部分です。丸投げしていたことを開発者自身がやらなきゃ行けなくなった。それって幸せなの?ということで、非常に、非常によくわかります(そう言ってくれるのを待ってました)。そこは本当はインフラエンジニアが楽する部分なんだろうと思います。

あと、リポジトリーを適当に作って運用したら障害頻発、とかいうのもこれもインフラエンジニアの仕事です。非機能要件と言って、アプリケーションの機能以外の部分が、コンテナには含まれているんですね。そこを整える仕事もある。

で、全部を読んだ結果、消極的に考えればまだモノリシックな設計は十分採用できると思いました。ここまでして新しい技術に合わせたとしても、現時点では得るものより失うものの方が大きい。

一方で、将来的にはどうか、というと、必ず「これ」といったベストプラクティスが確立するとおもます。LAMP構成というのがしばらく流行りましたが、ああいう、誰でも成功できるテンプレートのようなものです。

昔話になるのですが、Linuxがまだオモチャだったころ、私も触っていました。インストーラーをCD-ROMに焼いて手持ちのパソコンにインストールするのですが、なかなかうまくいかない。そもそもCD-ROMが認識しない。いろんな事例を調べ回避策を入れ込んで、数日かけてやっとインストールが完了する。ただ無線LANに繋げるにはまたそこから数日・・そんな世界でした。今や、Linuxなんて数クリックでインストールできてしまいます。今のコンテナ技術も似たような状況だと思います。もっと、決定版のようなものが出てきて、試しに入れたらマニュアル無しでも使えるぐらい簡単、そんな状態になる過渡期だと思います。

私の黎明期のLinuxのときの苦労など誰も知らず、今の若手はLinuxを当たり前のように空気のように使っているわけです。今コンテナで疲れている人の苦労も知らず、未来はコンテナを新人エンジニアが使っているんでしょうね。だいたいWindowsだって3.1のころは・・(もにょもにょ

 

・・・ということで、このスライドを読んで少し心が落ち着きました。情報収集を継続しつつ「お、これ楽チンか?」と思ったら手を出してみればいいかなーと思いました。そこまで行かないで消えていく技術もたくさんあります。全部に手を出していたらきりがないので・・。

まあ、「絶対に来るでしょこれ」っていう最新技術の黎明期に、リスクを飲んで挑戦するのも人生です。それで来たら来たでパイオニアです。伝説になれます。そういうエンジニア魂もまた素晴らしい。

とりえあず、コンテナの現在の状況がつかめる良い資料だったのでご紹介しました。ぜひ。