orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

阿波踊り主催の市観光協会を徳島市が破産手続き申し立て。これまでの経緯を振り返る。

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経緯

阿波踊りで有名な徳島県徳島市。この阿波踊りを取り仕切るのが徳島市観光協会です。徳島市阿波踊りは日本三大盆踊りの一つであり、毎年130万人以上の人でのある大イベントです。

 

2017年6月ごろ

2017年6月に、一本の記事が掲載され話題となりました。

gendai.ismedia.jp

徳島が誇る「夏の風物詩」阿波おどりが、中止の危機に直面している。

県内外から123万人もの観光客を集める一大イベントにもかかわらず、慢性的な赤字体質で、4億3000万円もの巨額の借金が積み上がっているのだ。

この赤字をめぐって、主催団体である徳島新聞社と徳島市観光協会の間で内紛が起こっている。会計を熟知する市観光協会幹部A氏が内部資料を見せながら憤る。

「徳島新聞は阿波おどりに口は出してもカネは出さない。それどころか、阿波おどりを単なる収入源にしているんです。

なるほど、阿波踊りは徳島新聞社も絡んでいるんですね。

・見通しのいい売れるチケットの大部分を徳島新聞社が独占している

・企業広告による収入のうち徳島新聞社が15%をマージンとしている。

・広告看板の発注先が徳島新聞社の天下り先でしかもその単価が高い

・徳島新聞社員をアルバイトとして動員し、観光協会へ請求している。弁当代やタクシー代まで出る。

・徳島新聞社が阿波踊りの機材を保管するために徳島新聞社の倉庫が使われている。観光協会に450万程度の請求が1年に1度ある。用途が不明なので切り替えようとしたら徳島新聞社に断られた。

結局毎年赤字の状況で、累積赤字が4億3000万まで膨れ上がる。徳島新聞だけが潤う。市民の税金が毎年3000万円補填される。これがループしていったという説明です。

で、徳島市がこれを問題とし6億までの借金は市が保証する話となっていたものの、これを引き下げてもう保証しない、赤字体質をなんとかせい、という話になっていたようです。

 

当時の市の見解

少し見方を変えた記事で、こちらは同時期の市の見解が掲載されています。

www.sankei.com

市は「主催者など関係団体に経費削減や有料演舞場の入場者数を増やすことなどを要請したい」

観光協会は徳島新聞社が悪いと言っているのに、市は観光協会の施策が悪いと言っているので両者が食い違ってますね。

阿波おどりは市観光協会と徳島新聞社の主催で、事業費に関する会計業務は同協会が担っている。実行委員会は徳島県や市、市観光協会、徳島新聞社、四国放送などで組織されている。

 あくまでも会計が観光協会で、実行委員会は協会が絡んでおらず政財界中心という構成なんですね。

だいたい状況はわかりました。取りあえずその後、2017年度の阿波踊りは乗り切ったようです。

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2017年11月ごろ

何も状況が変わっていないので、徳島市が観光協会の調査を始めました。

mainichi.jp

市は9月に3者で運営改善を検討する協議会を設置し、阿波おどり実行委でも協議会で議論するよう決定したが、市観光協会が参加要請に応じなかったため。

 調査団は井内秀典弁護士を代表に、徳島大の有識者ら8人でつくる。2013年度以降の5年間の現金出納帳や収支予算などの資料を調査し、協会職員から聞き取りを行う。必要書類のコピーを持ち帰り、後日報告書にまとめる。この日の定例記者会見で遠藤彰良市長は「来年の阿波踊りに間に合うよう、できるだけ早く報告書をまとめたい。観光協会が応じれば、並行して協議会も開き、改善策を協議する」と述べた。

 このあたりで、観光協会が相当フラストレーションが溜まっていますね。相当、観光協会側は自助努力をしようとしたのに、徳島新聞社や財界などにいじめられたのではないでしょうか。週刊現代の記事に具体的に書いてありましたものね。

A氏は、「チケットをオープンにして販売したい」と徳島新聞側に話したところ、担当者から「おまはん、何を言うとんぞ!そんなことしたら徳島におれんようなるぞ」と脅されたと証言する。

 

2018年2月5日

読売新聞が、下記を報じているようなのですが・・。

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ところが読売新聞サイトでは、上記記事を削除してしまっています。キャッシュにも残っていません。少なくとも2月5日に報告書を調査団が市に提出したのは間違いないと思います。その後、一部のサイトにログが残っていたため転載します。

17年度実施まで5年間の会計資料を分析した調査団代表の井内秀典弁護士は記者会見し、累積赤字が16年度末で約4億2400万円に上ると説明。会計処理については、複数業者と見積もりをして契約する「規程」が守られておらず、赤字解消に向けた議論の形跡も乏しいと指摘した。支出の根拠となる書類も保管されていなかったという。その上で「赤字を解消しながら阿波おどりを継続していくことは困難」と結論付けた。

 遠藤彰良市長は「阿波おどりを円滑に実施する運営体制を早急に検討する」とコメント。協会は「会長が不在で、現時点ではコメントできない」としている。

http://tamamushi.blog.jp/7164694.html

 なぜ元記事が無くなったのかはわかりませんが、個人的には闇を感じます。

 

2018年2月6日

この記事が徳島新聞社なのがアレですが、市は2018年度以降、損失補填はしないという意向を観光協会に伝えたとあります。

www.topics.or.jp

市は観光協会が全額を返済することは困難と判断し、契約を更新しないことを決めた。

 

2018年2月9日

市の攻勢は弱まりません。観光協会に清算手続きしろとすごんでいます。

www.topics.or.jp

徳島市の阿波踊りに多額の累積赤字が発生している問題で、市は9日、主催者の一つの市観光協会に対し、清算手続きに入るよう求める通知を出した。市は本年度、協会が金融機関から借り入れた4億3600万円の損失補償をしており、年度内に協会が返済できなくなれば市が負担しなければならない恐れがある。このため、保有する財産が減る前にできる限り返済に充ててもらうとしている。

 通知では、市が損失補償をしていることから、市民の負担を軽減させるためにも、直ちに清算手続きをする必要性を指摘。手続きに入る意志があるかどうかを16日までに回答するよう求めている。 

このニュースを徳島新聞社が伝えるという。スリリングな展開。

 

2018年2月14日

時間は刻々と過ぎていきます。

www.topics.or.jp

徳島市の遠藤彰良市長は13日の定例記者会見で、徳島市の阿波踊りに4億円余りの累積赤字が生じている問題について「赤字が膨らむのを黙認してきた市の責任は大きい」と述べた。その上で、今後検討を進める新たな阿波踊りの運営体制での収支管理に関し「市が責任を持ってやる」とした。(中略)市長は、協会の借入金に対して市が損失補償していることを挙げ「(損失補償していながら)赤字を出さないでくれという意識が(市には)全く感じられない。市の責任は大きい」と述べた。

 会見では、協会とともに阿波踊りを主催する徳島新聞社の責任に関する質問も相次いだ。市長は徳島新聞社は会計に関与していなかったとした上で「話を聞くのは当然と思っている」と述べた。

という記事を、徳島新聞社が伝えるという、さらにスリリングな展開。

さて、16日までに協会は清算手続きに入るのでしょうか・・・?!!

 

2018年2月16日

これは有料記事なので、さわりだけです。

阿波踊り事業徳島市観光協会「存続」 運営「黒字化できる」 臨時理事会決議 /徳島 毎日新聞

主催者の公益社団法人徳島市観光協会は15日、臨時の理事会を阿波おどり会館(同市新町橋2)で開き、負債の清算手続きに入らず、協会を存続させる決議をした。近藤宏章会長は「いま清算すれば返済できない分は市民の負担になる。阿波踊りの運営を続け、黒字を出して返還していく」とした。

なぜ報道しない、徳島新聞社・・。とにかく市の清算手続きは拒否したわけです。

 

2018年3月1日

これは「主語」を間違えないでくださいね。

市が、観光協会の破産を申し立てたのです。協会自身がではありません。

※記事は削除されました。

市は、協会が借入金を返済できない場合、市が肩代わりする契約を結んでいた。市は今年2月、新年度は契約を更新しないことを協会側に伝え、補助金約2200万円を出さないと通知。赤字の解消は困難とみられ、金融機関も市に返済を求めてきたことから、これ以上の負担増を回避する必要があると判断した。

 つまり、市は観光協会をお取り壊しにして、市自身で収支管理するという言葉を実行しようとしているわけです。

 

www.asahi.com

協会の担当者は「破産についての相談もない中での申し立ては誠に遺憾だ」などとコメントを出した。

 相談すれば良かったのかしら。清算しなさいという通告が最後通牒だったんでしょうね。

 

まとめ

まとめるとこんな感じです。

1)市が長期の観光協会の赤字体質を問題視。もう補填しないと伝える。

2)観光協会は徳島新聞社に物言いをつけ、しかもマスコミにリークした。俺らは悪くない、誰も協力してくれないのが悪い。

3)市は観光協会を調査。結果、会計が不適切であるという認識。

4)市や政財界は激おこ。観光協会に清算しろと要求。

5)観光協会は従わず。協力してくれない周りが悪いのになんで自分たちのせいになるのか。

6)市は、観光協会を破産申立。観光協会が担ってきた業務は市主導で管理。

 

ただ・・、なんだか観光協会ばっかり責められる事案でもないような気がしたのですがいかがでしょうか。不適切会計って、きちんと精査するといろいろ飛び火しそうではないですか?。記事が削除されているのも気になりますし。

徳島新聞社は週刊現代の記事に何も答えてないですしね・・。

 

おっと、市議会と市がもめている。

ryukyushimpo.jp

 委員は「議会に報告せずに踏み切った。申し立ては後戻りできず、協会との信頼関係を著しく壊す。性急な判断ではないか」「8月の阿波踊りに準備が間に合うのか」と批判。「一方的過ぎる」として観光協会を参考人招致する動議が提案されたが、賛否同数の委員長判断で否決された。

 協会との信頼関係なんてないでしょう。

 

 また、市は共催している徳島新聞社に聞き取り調査をし、同社が裏付け書類に基づかない不適正な会計処理を慣例で行ってきたことを認め、累積赤字の負担も「一定の責任がある。可能な限り協力する」と回答していることを明らかにした。

徳島新聞社はなんかコメントすればいいのにね。

 

ひとまず今年度黒字化するかが見ものですが。どうなることやら。

 

追記

続編。

www.orangeitems.com