仮想通貨取引における税金の基本的な考え方
仮想通貨をトレードしたとします。何か利益が出た場合に、その年にどのように税金を支払わなければいけないかについては、たくさんまとめられているので結論は出ています。
下記のページがかなり詳しいので、一般的には下記を全部読めば9割は理解できると思います。
基本的に、雑所得との扱いであり分離課税もされませんので、恐ろしく税金が高いです。税率テーブルが自分の給料との合算なので利益のうち3割から4割は税金に持っていかれる始末です(上記記事内参照のこと)。
また、自分の給与との合算となるため、下手を打つと会社にも情報が流れてしまいます。方法はありますので頭にいれておきましょう。
レアケース
と、ここまでは普通の情報なのですが、わたしはいろいろ考えてしまうので、いろいろ疑問が出てきました。
質問1 ビットコインでそのまま物やサービスを買ったときは、税金は払わなくていいのではないだろうか
(質問)
例えば、100万円=1BTCだったとします。
100万円を取引業者に入金します。
1BTCを買います。
その後、1BTCで、200万円相当のクルマを買ったとします(そんなディーラーは今はいないですけどね)。
この場合、1BTCをクルマに変えているわけですが、クルマの価格が1BTCだとすると、「私はクルマと手持ちの1BTCを交換したんだから、そこに差益はないよね。」って言えませんかね?
(答え)
言えないようです・・・。ダメです。
これって、日本円をドルに交換して、アメリカで物を買ったときと同じ考え方なんですね。
預け入れていた外貨建預貯金を払い出して貸付用の建物を購入した場合の為替差損益の取扱い|所得税目次一覧|国税庁
外貨建取引とは、外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいい、居住者が外貨建取引を行った場合には、その外貨建取引の金額の円換算額はその外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額として、その者の各年分の各種所得の金額を計算するものとされています(所得税法第57条の3第1項)。
照会のように、外貨建の預金をもって貸付用の建物を外貨建取引により購入した場合には、新たな経済的価値(その購入時点における評価額)を持った資産が外部から流入したことにより、それまでは評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが所得税法第36条《収入金額》の収入すべき金額として実現したものと考えられますので、当該建物の購入価額の円換算額とその購入に充てた外国通貨を取得した時の為替レートにより円換算した金額との差額(為替差損益)を所得として認識する必要があります。
まあズバリですね。ちゃんと購入した物やサービスを円で換算して、差益があればきちんと申告し、所得としてちゃんと申告せいと・・・。この解釈だと仮想通貨だろうがドルだろうがユーロだろうが同じですね。
質問2 某仮想通貨取引業者に預けていた仮想通貨が、取引業者の問題で第三者に盗まれてしまった。取引業者は当時のレートで円換算し、これを返金するという。この場合は円に交換する意思は私にはないので、利益に相当しないのではないか。
(例)
例えば、100万円=1BTCだったとします。
100万円を取引業者に入金します。
1BTCを買います。
この1BTCが盗まれてしまいました。盗まれた時のレートは200万円=1BTCでした。なので、200万円が補償として返金されました。100万円の差益とはなりますが、私は売るつもりなどなかったのです。これで税金を支払えなんて納得いきません。
(答え)
まだ決まってはいないのですが、支払わなければいけないようです。
麻生太郎財務相兼金融担当相は6日、仮想通貨の不正流出が起きた取引所大手コインチェック(東京)が日本円で返金する場合、返金額が顧客の取得価格を上回っていれば所得税の課税対象とする可能性を示唆した。
待たされるし、現金化されるし、税金払えと言われるし、の3重苦ですねえ。
質問3 仮想通貨と別の仮想通貨で交換を繰り返しているが、まだ日本円には払い戻していない。この場合はどうなるか。
(例)
例えば、100万円=1BTCだったとします。
100万円を取引業者に入金します。
1BTCを買います。
で、値上がりして200万円=1BTCになりました。
で、1BTC=20XEMだったとして、20XEMを交換したとします。
まだ私は円にしてないので、税金とは無関係ですよね。20XEMを円にもどしたらそりゃ税金かかるのは理解できますけどね。
(答え)
ズバリの資料を見つけました。
保有する仮想通貨を他の仮想通貨を購入する際の決済に使用した場合、その使用時点での他の仮想通貨の時価(購入価額)と保有する仮想通貨の取得価額との差額が、所得金額となります。
なので、仮想通貨間トレードを繰り返していると、その時点の利益に課税されるということになります。全然無関係じゃないですね。円であろうがなかろうか関係なく交換時に計算しなければいけないんですね。
上記の資料は今回の疑問以外にも、いろいろ答えてくれています。例えば、フォークして新しい仮想通貨が手に入った時は取得価額が0円扱いになるので売ったら全部利益になること。これも当たり前か。マイニングについてはかかった経費との相殺になること。などですかね。
わたしは取引していないのですが、実態を知って勉強になりました。