orangeitems’s diary

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本橋麻里さんがロコ・ソラーレ北見でやりたかったことは何か

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 チーム情報 | カーリングチーム Loco Solare(ロコ・ソラーレ/LS北見)公式サイト

 

銅メダル獲得

LS北見の平昌オリンピックにおいての銅メダル獲得、おめでとうございます。生放送を見ていましたがこれまで積み上げてきた出来事が全て凝縮されたような瞬間だったと思います。世界でトップ3に入るというのは一朝一夕にできることではありません。

オリンピックで初めて知ったのですが、LS北見というチームは本橋麻里さんが2010年に立ち上げたとのことで詳しく知りたくなりました。情報をまとめておきたいと思います。

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チーム結成時のインタビュー

sportivaの記事に、チーム結成時の本橋さんのインタビューが掲載されています。

sportiva.shueisha.co.jp

・5年間在籍していたチーム青森にて、バンクーバーオリンピック、世界選手権の2つの大きな大会で実力を発揮できなかった。

・チーム青森は、勝利が義務付けられていてスケジュールもしっかり組まれている。このチームに自分がやりたい改革を持ち込むと、多くの人に迷惑をかけてしまう。

・オリンピックが終わった今しか、チームを離れるタイミングがなかったので今決断した。

・世界トップチームは、調整方法を含めて全く日本チームと違っていた。メンタルの部分も含めて見直しが必要だ。

・選手自身がもっと突っ込んで話し合わなければいけない。自分のことばかりに集中するとチームの調子が悪いときに改善ができない。

・これから作るチームは、お互いにどんどん突っ込んでモノを言えるようにしたい。

・「個人的にはカーリングが好き、楽しいという気持ちを高めていく時間だな、と考えています。やっぱり勝つことを求められたチームでは、楽しむ余裕までは持てなかったので」

・「今は、『オリンピック』という言葉が自分の中では現実的なものではないんです。求められている自覚はありますが、(五輪に対して)”肩肘張って”という状況でもありません。それよりも、目の前の1シーズンを集中してやりきる。その中に(チームの)伸びしろが含まれているんじゃないかと思っています。そして、その延長戦上に五輪は存在するので、今はそういうスタンスでいいのかな、と思っています。」

 このように、本大会のチームの活躍を裏付ける思想が各所に語られています。自分自身を高めていき成長し、本番でそれを表現することが最も大事であるということに尽きると思います。結果を求めすぎると全体が見えなくなるというのは、サイバーエージェント藤田社長の件で記事を書いたのを思い出しました。

コミットが強いと全体が見えなくなる話、を読んでの感想 - orangeitems’s diary

また、他の活躍された五輪選手も同じようなことを語っています。ご参考まで。

大舞台で実力を出すための、一番モダンな方法 - orangeitems’s diary

 

LS北見の運営

LS北見は5名の選手と1名のコーチ、2名のトレーナー、1名のサポーターからなるチームです。サポーターは結成時は選手であった馬渕さんです。

メンバー紹介 | カーリングチーム Loco Solare(ロコ・ソラーレ/LS北見)公式サイト

運営についてはスポンサー企業が支援しています。

サポーター | カーリングチーム Loco Solare(ロコ・ソラーレ/LS北見)公式サイト

ただ、各メンバーは普段は企業に勤めておりプロ選手というわけではありません。藤澤さんの勤務中の取材記事もあります。

uhb.jp

各選手、生活とオリンピック選手の両立は非常に大変だっただろうなと思います。

 

平昌オリンピックまでの道のり

Wikipediaより転載します。一部加筆しています。

2010年7月、元「チーム青森」で旧常呂町出身の本橋が関係者と共に新しい環境の元、同町の出身者5名により結成。

2013年9月、ソチオリンピック日本代表決定戦にて3位に敗れる。
2013年10月、アドヴィックス常呂カーリングホールが落成。チームの活動拠点となる。
2014年6月、北海道銀行フォルティウスから、旧常呂町出身の吉田知那美が移籍加入。
2015年4月、馬渕恵が選手活動を引退。
2015年5月、中部電力カーリング部から北見市出身の藤澤五月が移籍加入。
2015年11月、本橋の出産のため、第25回パシフィックアジアカーリング選手権には帯広市出身の石崎琴美が参加。同大会で日本勢10年ぶりの優勝を達成。
2016年2月、日本カーリング選手権大会で初優勝し、世界選手権と翌シーズンのパシフィックアジアカーリング選手権の出場権を獲得。
2016年3月、世界選手権にて一次リーグを9勝2敗の2位で突破。決勝でスイスに敗れたが、日本勢初の準優勝。銀メダルを獲得。
2017年9月、2018年平昌オリンピック日本代表決定戦(3勝先勝方式)で中部電力に3勝1敗で勝ち平昌五輪代表権を獲得
2018年2月、平昌オリンピックに日本代表として出場。予選4位でカーリングの日本チームとして初の準決勝に進出した。準決勝の韓国戦は延長戦の末7-8で敗れはしたものの、3位決定戦でイギリスを5-3で下して銅メダルを獲得した。

つまり、ソチの時は結果は出ず、それでも継続し平昌にたどり着いたということですね。

なお、「アドヴィックス常呂カーリングホール」ですが、下記の通り大変立派な施設です。

アドヴィックス常呂カーリングホール | 北見市

このホールの前身は1988年にはあったそうです。このホールは全天候型で天候に左右されず練習できるとのこと。

abematimes.com

1989年に北海道で行われた「はまなす国体」でカーリングがデモンストレーション競技に採用されることになる、会場提供にいち早く手を挙げたのが常呂町だった。この前年、天候に左右されない日本初の屋内型カーリング専用ホール「常呂町カーリングホール(現・アドヴィックス常呂カーリングホール)」が完成

かなり豪華なホールですし、住民の方々の熱意が伝わってきます。

 

まとめ

本橋さんを筆頭に結成時からビジョンを持ち8年間の長い間これを貫き、そして「自分たちらしいカーリングをすること」をオリンピックの場でも表現すること。そしてそこに史上初の銅メダルという結果がついてくることが教えてくれることは大きいです。一番素晴らしいのは、この8年間いろいろとアクシデントがあった中で歩みを止めないことの素晴らしさだと思います。どうしても視聴者がオリンピックで初めてLS北見知りそこで銅メダルを取ったということそのものの事実や、プレー中の個性やルックスが世の中的には目立ってしまうのはどうしようもないとは思いますが、最も大事なのはこの8年間のプロセスだと思います。

大きな結果を出すために必要なことを学べた気がします。LS北見の一層の活躍を期待します。