orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

講談社の決算記事を見ての感想

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講談社の2017年11月期決算が出たようですね。

www.nikkei.com

講談社は20日、2017年11月期の単独決算を発表した。売上高は前年同期比0.6%増の1179億円、純利益は35.6%減の17億円だった。稼ぎ頭の漫画はデジタル分野が大きく伸びたが、単行本や漫画雑誌の売上高を1割近く落とし、苦戦が続く雑誌などを補えなかった。

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考察

数字は嘘をつかないという言葉があるのですが、本当にそのまま表現した決算だと思います。雑誌はどんどん売り上げが下がる。漫画はデジタル化が進む、ただ海賊版の影響が出始めているとの論調です。

 

過去、本ブログでも申し上げた通り、電子書籍の基盤が乱立していて消費者が困惑しています。Kindle一強に対して、さまざまな電子書籍基盤が存在していて、その電子書籍に費用を支払ったにもかかわらず、こちらでは読めてこちらでは読めない、という状況が発生しています。

先日、講談社は、コミックDAYS!という基盤をスタートさせました。

コミックDAYSはいいかもしれない - orangeitems’s diary

わたしもすぐプレミアム登録しようかと思ったのですが、まだアプリ版がリリースされていなかったり、一か月間無料をうたっている割には月末〆なので、2週間しか無料体験できなかったりということで、入るタイミングをうかがっているところです。

講談社はこのような努力もしていることもあり、海賊版に対応する意味での新しい漫画ビジネスの在り方をきちんとマネジメントしていると思っています。

欲を言うなら、コミックDAYSと他社の基盤に互換性を持たせてほしいことです。コミックDAYSのフォーマットを、集英社・小学館などで共有化して、シングルサインオンにしてもらえないですかね・・。

 

あと雑誌についても言いたいことがあります。雑誌自体はインターネットに比べて情報が古くなりがちですよね。雑誌がいい記事を書いたとしてもインターネットに引用されてマネタイズ(お金に)することができなくなっています。いっそ、コミックDAYSのような基盤の中で、雑誌の記事を読み放題にすればいいのにと思います。

参考書とか辞書とか、紙の本でないと使いにくいものもある中で、雑誌は、読んだら、その器である紙は「ゴミ」になってしまいます。何で紙じゃなければいけないのかの必然性が弱くなってきています。雑誌に含まれる情報と、紙媒体というバランスがアンマッチということです。

取材して記事を書くことの大変さとその価値は失われていないと思います。であれば紙と雑誌の組み合わせにこだわらず、出版社で基盤を作り読み放題にすれば読み手はつくと思います。

また、雑誌にしたって国内の共通基盤を持ち、ストリーミングでいろんな出版社の記事がシームレスに読めたほうがいいと思います。

 

さて、ここまで書くと、dマガジンとか楽天マガジンが何で伸びないのかって話になります。

k-tai.watch.impress.co.jp

一通り目を通してもらうと、弱点が分かると思います。紙の雑誌をスキャンして表示しているから、ですよ。スマホやタブレットで表示すると小さくなるに決まっています。必要なのは、雑誌は紙媒体のフォーマットから脱しなければいけないとうことです。

情報自体はデジタルでもアナログでもないので、これを現在の端末に最適化して雑誌の記事が表示されないとおかしいわけです。とすると、紙の雑誌をデジタル化するツールをAIなどの技術を使って自動化せねばならない、ということになりますね。

正直、紙の雑誌を作っていた人材が急にデジタル化できるはずがないので、このあたりは技術革新が必要で、それをやっていないなら、雑誌はもっと売れなくなっていくと思います。WEB専用のメディアに市場を奪っていかれるだけです。

WEB専用のメディアがブランド力を持つ前に、紙でブランド力を持っている雑誌が、このあたりの仕組みに投資してイニシアティブを取らないといけないと思うんですがどうでしょうか。

 

漫画だけ先行している感がありますが、同時に雑誌の方も頑張ってほしいなあと思います。はてなブックマークのスマホアプリ版のように有料記事のフィードがどんどん流れてくるアプリがあれば、買うけどなあ。