本屋さんがなくなると話題です。この記事に関する感想です。
最近、街の本屋さんが少なくなったと感じませんか。雑誌の売り上げの不振やネット書店の普及で、全国の書店の数は2000年と比べて4割も減少しているんです。急速に街から姿を消す本屋さん。今、地域で支えようという動きが出ています。
考察
本を売るというビジネス自体が右肩下がりなのに、自治体で支えるとかクラウドファンディングとかいろいろな対応が練られているという記事です。
正直ビジネス自体をテコ入れせずに書店だけをゾンビ化しても意味がないと思います。
・なぜ本が売れなくなったのか
・なぜ客が入らなくなったのか
真っ正面から向き合わないと、無駄なお金が使われてしまうことになります。
原因は一つしかないと思っています。再販制度です。出版社が定価でしか売ってはいけないと本屋さんを拘束しているあの制度です。
インターネットが一般化したことで、情報が氾濫し供給過多で、情報自体の質的価値は暴落していると思います。一方でその質の暴落をはるかに上回る量が生産され今もされ続けています。
情報の量×情報の質=情報の時価総額
という式がなりたち、情報の時価総額は保たれているか膨らんでいる反面、情報の質はどんどん下がっていると思います。
つまり、本自体は過去と比べるともっと価格が下がっていないといけないものだと思います。インターネット経由で写真でも映像でもどんどん供給されるのです。本がなぜ昔の価格で勝負しなければいけないことになっているのでしょうか。
このあたりにバカバカしくなった消費者が、本屋に立ち寄らなくなっているのです。
ブックオフのせいと言われた時代がありましたね。しかしブックオフの経営は今どうなっているでしょうか。
この通り、ブックオフは暴落した本を安値で買い取り、高値で売る戦略を持ってビジネスしましたが、結局それでも高値つかみしただけだったという皮肉です。
アマゾンや電子書籍のせいでしょうか。いえ、電子書籍は紙の本の代替にはなっていません。出版市場の下げ幅のほうが、電子書籍の成長スピードより早いのです。そもそも電子書籍すら定価にしばられているところがあります。情報の価値からするともっと安くてもいいと思います。
情報の価値が下がったから、本を10分の1の価格で売れ、と言っているわけではありません。再販制度を外して、安売り本屋というビジネスを確立するのです。ドラッグストアは良い見本です。1円でも下げて量を販売しようとしていますよね。会員カードやポイント割引等々販促も賑やかです。
なぜ、書店だけ、定価で本を並べて商売が今後もできるのでしょうか。逆に価値の高い情報と認められれば本はより定価で売れるはずです。ゲームでもそうですよね。ドラクエ11は随分長い間値段を保ちましたが、ファイナルファンタジー15は1ヶ月ぐらいで1500円くらいになった記憶があります。価値は変動し、適正価格があり、そこに納得して何かを買うのです。
音楽(CD)もしかり。何しろ定価販売にしばられた市場は、情報の価値が20年前と大きく下がった状況では、衰退するのみです。新聞だってそう。
定価で良いのはNHKや、医療など、競争性がなくても成り立つものだけだと思いますよ。
今のままだと、本屋さんは必ず、無くなります。無くしたくなければ、本屋が踊れるビジネスルールにして、優勝劣敗にして優れた本屋が成長するようにしなければいけません。今のままだと優敗劣敗です。
私が子供のころは本屋さんはワンダーランドでした。あの輝きを取り戻すためには、本屋さんが本を売って成長する仕組みが社会に必要だと思います。