立ち入り検査
今現在、コインチェック社へ金融庁が立ち入り検査を行っています。
先週土曜日(2018/1/28)の会見以来、ここに至るまでにいろいろな情報が飛び交いました。
コインチェック社による補償方針の発表
土曜日0:00AMに会見して、日曜日1:30AMに補償方針を発表してますから、めちゃくちゃ早い対応だったと思います。一旦、社会には安どの雰囲気が漂ったんですが、「無理じゃない?」という空気も同時に作られていきました。
(速報)コインチェック社より「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について」が送付されました - orangeitems’s diary
で、日本円での補償となり、NEMの円換算値が88.549円/XEMとされていたわけですが今相場を見ると・・。
<
58.2323円・・。暴落という言葉を体現したような価格になっています。
例え、コインチェック社にNEMが戻って来ても、日本円で補償すると多額の損失が出てしまいます。やっぱNEMで返すわ・・、とは行きませんわね。
なお、週明けには、金融庁が2018/2/13までに報告するようにと通達をコインチェック社に伝えています。聞き取り調査も週明けすぐに行っています。
マルチシグやコールドウォレットの不毛な議論がはじまる
コインチェック社が会見で、「マルチシグやコールドウォレットにしておけば、今回の問題は防げた」という発言を繰り返したので、しばらくはマルチセグって何?、コールドウォレットって何?っていう議論に終始しました。
マルチシグとは何か。コールドウォレットとは何か。仮想通貨セキュリティの常識。 - orangeitems’s diary
で、各取引所も、うちはマルチシグだコールドウォレットだと、変なアピールが始まったのでした。
いくつかの取引所が自社の安全性を説明し始めた件について - orangeitems’s diary
ただ、あれ、これって本質の議論じゃないよね?って、しばらくして気が付きました。
コインチェック社のミスリードで、問題の本質がずれている現状を憂う - orangeitems’s diary
どう考えても、国民全体でまだまだ仮想通貨の知識が浅かった状態でコインチェック社にミスリードされてしまったなあと思います。
本質は、短時間で抜き取られることと気づく
20分間に580億あまりが抜き取られるって何事!?、っていうニュースが2018/1/30(火)に出ます。そうですよね、そこ注目しますよね。
本筋へ回帰するコインチェック問題と、仮想通貨バブルの終焉 - orangeitems’s diary
金融界から大ブーイング
SBIホールディング北尾社長が、コインチェック社への痛烈な批判を行い、そのうえで金融庁や国税局にも苦言を呈しました。
コインチェック社をSBI北尾社長が痛快に大批判し、共感した話 - orangeitems’s diary
現行の金融機関には、半沢直樹のくだりではないですが、相当金融庁が厳しい監査を行っています。それはそれは想像以上のレベルであり、かつ金融機関側もその対応に相当なコストを支払っています。
あれだけ、好き勝手されては、かないませんよね。北尾社長のお気持ちも察するところがありますが、あれはSBIホールディングズのことばというより、現行金融機関を代弁されたのだと思います。
このあたりで、金融庁も時間をかけていられないという雰囲気が生まれたと思います。
どうも業界全体がおかしい
某取引所がコールドウォレットの活用をうたいながら、ホットウォレット使ってんじゃんという話も出てきました。
zaif社のNEM仮想通貨管理が脆弱であると指摘されている件 - orangeitems’s diary
また、インサイダー的な手法も横行していたと見られ、業界全体のブラックさが際立つほうがどんどん出てきます。
日本に留まらず外国でも仮想通貨取引の不明瞭さが問題となり、相場全体が値崩れしはじめます。一方で、コインチェック社からは明確なコメントが出ず、口座はロックされたまま。フラストレーションが自然と高まってきます。
そして集団提訴まで発展
これは昨日(2018/2/1)のお話し。
ビットコイン底割れしてますね2 - orangeitems’s diary
ロックされているユーザーが集団提訴を行うそうです。NEMについては26万口座と言っていましたが、本丸のビットコインまでロックされているので、実際はどれだけコインチェック社がロックしているのかわかりません。
相場は大崩れ。そして売るに売れない被害者。この流れも当然です。バブルの崩壊に、自分の資産を売るに売れない。こんな苦しいことはないでしょう。
今日の立ち入り検査ですべてがわかるはず
コインチェックの預かり資産は実際はどれくらいなのか。
手元の流動資産はどれくらいなのか。
資産の管理方法の実態は。
これまでの取引履歴に不明瞭な部分はないか。
いろいろ出てくると思います。立ち入られるぐらいなら初めから明瞭に説明すればいいのにと思うのですが、コインチェック社としたら2月13日の金融庁報告までにはなんとか取り繕おうと思っていたのかもしれません。
続報を固唾を飲んで待ちます。ここまで来たら最後まで見届けます。