orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。1日2記事投稿しています(0:00、12:00)。

開発者がサクっと修正して、サクっと本番環境に適用するDevOptsに思うこと

IT業界は、開発者がサクっと修正して、サクっと本番環境に適用する、DevOptsという世界観を基本としたプラットフォームをすごく売りたいようである。そのキーテクノロジーにコンテナを使っている。 コンテナ自体は便利だなと思う反面、コンテナを本番環境で…

Twitterを見るとIT業界で年収イッセンマン、の謎

Twitterがちょっとおかしいなと思い始めたきっかけは、一昔前に年収に対するツイートが飛び交い、IT業界では年収一千万で当然みたいな空気が漂っていたころだ。 ただ、現実なんてこんなものである。 www.itmedia.co.jp 日本のIT技術職の平均年収はいくらか。…

「オペレーショナル・レジリエンス」はきっと流行る

なんとなく、来年流行しそうな言葉。 「オペレーショナル・レジリエンス」 www.nikkei.com 金融庁が銀行システムの耐性度について、初めて本格的な検証に入る。みずほ銀行ではシステム障害が経営上も混乱を招き、業界全体ではクラウド技術を使う外部委託が広…

古いシステムだから、何もかも古いというわけじゃないこと

最近、システムリプレース(システムを新しくして置き換える案件)の話がやけに多い。 私はクラウドに関わっている、と言うと先進的に聞こえたのは昔の話。今や、数あるシステム環境の一つだと思う。 長くシステム環境を預かると必ずリプレースの話は出る。…

楽しきお仕事

ブログの投稿が遅れるときは、珍しくお仕事が忙しいときである。 珍しく・・とは身内にはバレたくないが、しかし忙しいと言う状態は、結構仕事人にとっては快適である。集中すればいいから。 一番大変なのは、仕事が見つけられないときだと思う。仕事を見つ…

システム変更依頼、最近止めたほうがいいですよ、という場面が増えた

システム運用を顧客から預かる仕事をしていて、いろいろと相談されることがある。基本的な対応としては「喜んで!」なのだが、喜んでばかりはいられないこともある。こういうふうにしたいので提案が欲しい、と相談されたときに、いやそういうふうにしたらい…

IT業界、17年前と今の時代で決定的に違うこと

一通り読んで、17年前の記事であることに気が付いた。 softether.hatenadiary.org たとえば建築業だと、神業的な技能を身につけていて、かつ他人がどれだけ真似しようとしてもどうにも真似できないようなすごい大工さんがいて、それ以外に大勢の作業員がいる…

開発エンジニアがうらやましくなる瞬間があるインフラエンジニアの気持ち

私はインフラエンジニアの身分で、システム開発をしている開発エンジニアのグループを眺めることがあるが「うらやましいな」と思うことがある。 グループ内で、プログラム仕様について、けんけんがくがく議論をしているときだ。 ある部分をどう実装するかで…

クラウドロックインされない必要性が高まる世相

特定のクラウドサービスでしか使えないサービスはとても便利かもしれないけど、そのクラウドサービスを離れたら実装できない。つまり、そのクラウドサービスの基盤に依存したソフトウェアと言える。 これって、どの基盤でも動くソフトウェアと比べると、かえ…

完全に潮目が変わったIT業界

ここしばらく、IT業界をひっくり返すような新技術を見ないな、聴こえてくる話は値上げの話ばっかりだ、と思っていたけど長期化しそうだね。 www3.nhk.or.jp メタが1万1000人以上、アマゾンもおよそ1万人。ツイッターも社員と契約社員あわせておよそ8000人。…

世の中には2種類のシステムがある

世間から見たら、同じコンピューターシステムでくくられてしまうんだろう。しかしインフラエンジニアから見たら、厳然と違う2種類のシステムがある。 1)不特定多数のユーザーをリアルタイムにさばくシステム 2)限られたユーザーをリアルタイムにさばくシ…

ほとんどの本番作業がファイル操作である件

インフラエンジニアとしていろいろな作業をすることが多いが、結局やっていることって、ほとんどがファイル起点だと思う。 ・ファイルを編集する・ファイルをコピーする・ファイルを削除する・ファイルを移動する そして、ファイルは、必ずディレクトリーに…

うるう秒で、昔、大変な目に遭った話

うるう秒、なくなるらしい。 japan.cnet.com 原子時計を地球の自転に合わせるために半世紀にわたって用いられてきた「うるう秒」が段階的に廃止される。こうした調整の技術的リスクを懸念するテクノロジー大手にとっては、うれしい話だ。 うるう秒が「私」を…

なめられているIT業務

IT業界で仕事をするに当たって、特定の資格は不要である。だからこそ、未経験です、仕事をしながら仕事をおぼえますと言って入社する人々もいる。 私も文系で新卒、という類だったので入口は同じ条件だった。ただ、入社前に告げられた「基本情報処理技術者試…

パブリッククラウドの周辺サービスを極力使わない理由

パブリッククラウドのコストが高い、その理由はトラブル時のバックアップにあるとの調査結果が出たそうだ。 www.itmedia.co.jp パブリッククラウドのコストが想定より高いと感じている企業はどれだけあるのか──データ保護ソリューションを提供するベリタステ…

自動化の危険性

コンピューターはとても便利で、基本的にはコーディングしたら、同じことを正確に何度も繰り返してくれる。人間では真似できない。同じことを100回、は精神力でカバーできるかもしれないが100000回ではどうだろう。それも可能にしてしまうのがコンピューター…

「手順書がないと作業できません」をどう乗り越えるか

システム運用の現場で、安全に運用するための掟のようなものはたくさんあります。ちゃんと手順書に則って作業しよう。一人で作業しないで、二人で作業すればエラーが止められる。違和感があったら上級者へ連絡・報告しよう。これは、未熟な人が想定していな…

誰も理解できないようなことに、手八丁口八丁で注目と資金を集め、それで高額で優秀な人を集め、その彼らにその実装をやらせて、そしてよくわからんうちに成功させるようなモデル

Twitterにしても、そして今、耳にしたメタの人員削減の件もそうだけど。 www.nikkei.com 米メタが大規模な人員削減を計画していることが6日、わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)が関係者の話として報じた。数千人の従業員に影響…

不況はまずSaaSを直撃し、そしてIaaSをじわじわ削っていく

日経の記事。 www.nikkei.com 高成長を続けてきたクラウドコンピューティング基盤の市場に変調の兆しが出てきた。7〜9月期は市場の成長率が3割を下回り、最大手の米アマゾン・ドット・コムは採用凍結に動く。金融引き締めによる景気後退やインフレの長期化を…

インフラエンジニアは楽な仕事か

インフラエンジニアが楽、という視点は新しいなと思いまして。 はい?https://t.co/DQWYxguQHG pic.twitter.com/GSrKmaiIFt — Workaholic | 情報商材屋回避コンサル (@32768Sf) November 5, 2022 インフラエンジニアって、IT業界で嫌がられる職域だとずっと…

自動化は人をダメにするのか

日々、システムが正常に動いているかチェックしたくて、そのチェックする作業をなるだけ自動化しようとおもい、バッチプログラムを作成し自動実行している。そのプログラムから送られる結果を見て、運用担当者が判断するという流れだけど、ちょっともやもや…

簡単にデジタル化って言うけど、サポート切れをどう考えているのか

ちょっとIT関連をかじったぐらいでデジタル人材なんて呼び方をするみたいだけど、徹底的に抜けている観点がある。サポート切れの問題だ。大体の人がノーコードやローコードの方面に行って、業務をちょいちょいとアプリケーション化することを、業務効率化と…

「Oracle Alloy」オラクルのメッセージは市場に届くか

最近、テクノロジー業界全体がガートナーハイプ・サイクルで言うところの幻滅期に入っている気がしてきていて、メタバース、NFT、Web3、Kubernetes、仮想通貨、いろいろな新技術が世界を席巻すると思ったら、伸び悩みどころか伸びてもいないんじゃないかとい…

どの会社もIT未経験者をもっと採用して育てよう

今の40代くらいで、IT業界で残っている人は、きつい時代を乗り越えたスーパーマンクラスの人が多い。多いんだけど、入社したときにはIT未経験者って人も随分多い。それで、厳しい先輩にリードされながら、自分で勉強して身に着けた。辛いことももちろんあっ…

Stable Diffusion(ステイブルディフュージョン)のことを世間はもっと知るべき

AIがいろいろできるというのは世の中に知られていることですが、1つのオープンソースが世界を変えつつあります。 Stable Diffusion(ステイブルディフュージョン) です。 日本では、このニュースが始まりな気がします。 www.4gamer.net イギリスのスタート…

会社において、技術力で評価されるとはどういうことか

一応、私は技術者のカテゴリーではありますが、技術者の評価って何だろうと思うことがあります。私の頭の中にある技術知識が優れていれば評価は高くなるのでしょうか。それは違うと思います。私の頭の中をのぞくわけでもなく、テストがあるわけでもなく。そ…

枯れた技術、新しい技術

いろいろと新しい技術は年々投入されるのだけど、残念ながら私の仕事領域に到達することは少ない。ITインフラは、安定とセキュリティーが常に求められるので、昔ながらの実績のある方法論が強いのだろう。それはわかる。 ただ、ずっとこの古い技術を運用畑で…

月刊アスキーの目次を読んで、20世紀のパソコン周辺で何があったかを思い出そう

月刊アスキー、1977年に始まったコンピューター専門誌ですが、2008年に役目を終えるまで、業界にとって重要な立ち位置にありました。 私が学生の時は、何度か手に取ってみるけれども、中身が難しくてよくわからない、という類のレベルの高い本でした。 何が…

ローコード/ノーコードがうまく行かない Webアプリケーション化すれば使われると思ったら大間違い

煩雑な業務をデジタル化すれば色んな人が便利に使ってくれる。そんな発想は根本から間違っていると思う。より具体的な事例が日経に掲載されていた。 www.itmedia.co.jp 補助金をもらい逃していないかチェック──。東京都が都民や企業に給付する補助金にはさま…

データセンターあらしから、声をかけられた出来事

Googleが、千葉県印西市にデータセンターを作ると聞きまして。 www.bloomberg.co.jp 米グーグルは、2023年中に同社にとって日本初となるデータセンターを千葉県印西市に開業する。親会社であるアルファベットの最高経営責任者(CEO)も務めるスンダー・ピ…