マヤシステム(旧FREETEL)のPriori4、Wifi飛ばすなって
フリーテルの過去のファームウェアアップデートで、まずい改変があり、ユーザーはWifiを飛ばすなとのお達しです。ユーザーも、運営を引き継いだマヤシステムもなかなかしんどい話ですね。
【緊急のお願い】Priori 4に関する重要なお知らせ
平素はご愛顧いただき誠にありがとうございます。
FREETEL Priori4 Android 7.0をお使いのお客様は、端末のWi-Fi機能のご利用を停止してください。
2017年11月6日より配信されているワイヤレスアップデートで、認められていないWi-Fi電波が出力されていることが判明いたしました。
下記手順をご覧の上、対象のお客様は、Wi-Fi機能のご利用を一時停止いただきますようお願いいたします。
今後の対応につきましては、あらためてご案内させていただきます。
認証取扱業者 プラスワン・マーケティング株式会社
サポート 株式会社MAYA SYSTEM
内容を読んで、何をしたら違法になるのだろうと興味を持ち調べたところ、一つの可能性がわかりましたので記事にしておきます。
5GHz帯には種類がある
無線LANには2.4GHzと、5GHzの2種類の周波数帯があるのはご存知かと思います。2.4GHzは屋外で使うのは全く問題ないのですが、5GHzについては何種類か規格がありほとんどは屋外仕様が禁じられています。ファームウェアアップデートにより、屋外不可の電波が飛ぶようになってしまったのではないかと推察します。
・5GHz帯で使用するチャネルのこと
使用するch
・J52(IEEE 802.11a/n):34/38/42/46ch
・W52(IEEE 802.11a/n/ac):36/40/44/48ch
・W53(IEEE 802.11a/n/ac):52/56/60/64ch
・W56(IEEE 802.11a/n/ac):100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch
周波数帯域と使用可能場所
・J52:5.2GHz帯(5150-5250MHz)、屋外不可
・W52:5.2GHz帯(5150-5250MHz)、屋外不可
・W53:5.3GHz帯(5250-5350MHz)、屋外不可
・W56:5.6GHz帯(5470-5725MHz )、屋外可能
上記の通り、同じ5GHz帯でもW56という規格で利用しないと屋外では使えなくなってしまいます。おそらくファームウェアアップデートのタイミングで、J52/W52/W53のいずれかまたは複数に対応してしまうようになった、というのが今回のオチだと思います。
ちなみに、2.4GHz帯には屋外制限はありません。
なぜ屋外不可?
このややこしい制限がなぜ生まれたのかを調べたところ、以下の経緯がわかりました。
無線LAN通信で利用可能となった「5GHz 帯」ですが、日本では「衛星通信システム」や「気象レーダー」がこの周波数帯域を使っているため、昔は無線で利用できる周波数帯を「5.15G~5.25GHz」のみ、そして「(無免許で使うなら)屋内での使用のみ」と電波法によって制限していました。
しかし、この制限は諸外国の規制と異なり統一性が無くなってしまうという理由で2007年(平成19年)1月の省令改正によって無線タイプ「W56」 (5.47 - 5.725GHz) が無線LANでも使用可能になりました。「新5GHz帯」と呼ばれるものです。この帯域は免許不要で屋外での利用も可能になりました。
ということで、日本独自の事情が絡んでいるとのことです。スマホを日本で扱う人なら常識なようですが、ファームウェア更新が2017年11月ということで、旧FREETEL社が民事再生法直前の状況であり、現場も大混乱だった時期なのではないかと思います。
Amazon製品は屋外不可のW52
一つ付け加えるならば、Amazon製品の5GHz無線は、日本のスマホで対応している屋外可能のW56ではなく、W52を使っているそうです。
当サイトが Amazon.co.jp に確認した公式情報によると、5GHz帯のWi-Fiに対応した同社の日本向け製品については、全て「W52」という規格にのみ対応しているとのことです。
注意して利用しないと法律違反、というのもなかなか渋い話だと思いました。
Wi-Fiのすべて - 無線LAN白書2018 単行本(ソフトカバー) – 2017/12/22