JDIの進捗状況を確認する
ジャパンディスプレイ(JDI)のJDI 2017年度第4四半期及び通期決算が出ましたね。
経営再建中の中小型液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)が15日発表した2018年3月期連結決算は、主要顧客の米アップル向けの不振や中国メーカーなどとの競争激化が響き、売上高が前期比18.9%減の7175億2200万円、純損益が2472億3100万円の赤字となった。赤字は4期連続で過去最大。海外拠点の統廃合など約1400億円に上る合理化費用も重荷となった。
過去、
どうすればジャパンディスプレイ(JDI)は再建するのか - orangeitems’s diary
という記事を書きましたがこの時は3Qでした。今回は4Qおよび通期決算です。この記事を踏まえて現状を確認していきたいと思います。
四半期決算の結果
JDI 2017年度第4四半期及び通期決算説明会資料を見ていきます。
※単位(億円)
1番目につくのが、売上高より売上原価が多いこと。3Qもほぼイコールだったのですがまだ売上の方が若干高かったのです。今回は売上の減少が激しすぎて、構造改革による売上原価の減少が間に合わなかったというところでしょうか。
その上で「特別損益1111億」という記載でドッカーンと赤字になっていることがわかります。当然構造改革に使われていて、遊休資産(工場)を償却したり人員削減を進めたりといったところになります。「国内約300名、海外約3,500名の従業員を削減」というのが政府が絡んでいる会社らしいなと思います。国内の雇用はなかなか手をつけられないといったところでしょうか。
結局構造改革と言ったものの、外部状況が悪化し売上が想定以上に下がったということが言えると思います。売上減に対して原価を下げること自体は構造改革ではありません。この資料がいうには、
とあり、クォーターで125億円の売上原価が減ると言っています。悪いことではないですが、4Qの営業利益が-229億円なので、まだマイナスだなあという印象です。いよいよ売上をどう成長させていくかを確実にしないと、どんどん純資産が減っていくことにほかなりません。
純資産の減少はどうなった?
4月に第三者割当による増資を行い、純資産に注入しています。これはその直前の純資産。純資産が820億円となり、3Qまでは2,299億円あったのが大幅減少しています。当然4Qの赤字が反映されているわけですが、このままほっておくとショートするのは明らかですよね。ですから増資したと。
増資後は、
とわざわざ買いてあり、純資産820億円が若干増えて1170億円になっています。とはいえ、来期も、当期純利益レベルで赤字を出す(2,374億円)ようなら、計算上はゆうゆう債務超過となります。
通期決算説明会資料に足りないこと
来期売上の具体性が見えません。
今期は中国のスマホ減少を受けて液晶パネルが売れなかったというのはわかります。では来期はなぜこれを上回る需要があると想定できるのでしょうか。外部要因であるとすれば、変化に合わせた営業戦略が必要です。また、FULL ACTIVEがなぜ売れるようになるかもよくわかりませんでした。
全体的に具体性に欠けた中で、来期予測の数字がよく見えすぎて、その方策を詳しく知りたいなと思いました。原価の減らし方も売上の減り方に対して甘いと思います。
外部要因の変化頼み(急に液晶が売れ出すなど)という風に見えた今回の決算でした。