ClipboxがiOSで配信停止
Clipboxというアプリをご存知でしょうか。どうやら今日、AppleのApp Storeからリジェクトされてしまいダウンロードできなくなってしまいました。すでにアプリをダウンロードしている人はまだ使えるようですが、一度削除すると再インストールはできないそうです。
以下が公式のコメントです。
【重要】iPhone版・iPad版の提供について
平素より「Clipbox」をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
現在、App Store上でのiPhone版、及びiPad版の提供を技術的な事情により見送っております。
つきましては、App Storeからのインストールとアップデートができない状況となっておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
なお、提供再開の目途はたっておりませんので、
端末内にあるClipboxの削除は行わないようにご注意ください。お客様におかれましては、ご利用にあたりご不便をおかけするかと存じますが、
一日も早い再開を目指して対処してまいる所存です。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
Clipbox事務局一同
Clipboxの運営者、兼松グランクスという会社自体は、総合商社兼松の子会社で結構堅めの会社なのですが・・。
どんなソフトウェア?
公式のページを見るより、象徴的な記事があります。
おわかりでしょうか。Youtubeの曲やムービーをオフラインに落として、持ち歩いて楽しむためのアプリといっても差し支えないと思います。
違法!
で、双方の記事に書いてあるのですが、違法にアップロードされた曲やムービーをダウンロードして楽しむのは私的利用であっても違法です。
アーティストに無断で複製、配信された音楽や映像(いわゆる「海賊版」)をパソコンなどにダウンロードして楽しむ人がいます。海賊版が広まると、アーティストは収入が得られず、新しい作品の創作も困難になり、ひいては文化の発展に悪い影響を与えます。このため、販売または有料配信されている音楽や映像について、それが違法配信されたものであると知りながらダウンロードすることが、平成24年10月1日から刑罰の対象となりました。
公式ホームページにも書いてありますね。
あくまでも利用方法はユーザーのモラルであって、アプリは違法じゃないということを言っていると思います。ただ、Winnyの時もアプリ自体は悪くなくて、使うユーザーが悪いんだみたいな議論があったなあと。
「Winnyは悪くない、悪いのはウイルスであり、感染する人だ」--開発者の金子氏 - CNET Japan
これは超有名な記事ですね・・。著作権を学ぶ上では欠かせません。
著作権の侵害を助長するようなアプリやWEBサービスは、無責任ではいられないという方向性を感じてしまいます。
ということで昔話はこれまでにして、ついにAppleに圧力がかかったのではないでしょうか。政府や著作権管理団体が、漫画村やAnitubeしかり、違法性の高い行動に規制をかけはじめていると推測します。「提供再開の目処がたっていない」ともありますしね・・。もしGoogle Play Storeも同じ状況になるようならアタリかと思います。
※ただ圧倒的にiPhoneと若い人の組み合わせで使われているような雰囲気ですがね。ネットの記事やツイッターを見る限りは・・。
ビジネスモデルは?
そういえば、Clipboxはダウンロード無料です。
どのように運営しているか調べたところ、ホームページに、
と書いてありました。ここでも広告代理店が暗躍しているというわけですね。なおAndroid版は今でもダウンロード可能なので、広告代理店から広告を引き上げられたというわけではないと思います。あくまでもAppleから差し止められたということになります。再開の目処が立っていないというところも気になります。技術的な原因であれば再開に時間はかからないでしょうから・・。
しばらくしたらニュースになるとは思いますが、今回の運営主が総合商社の子会社ということもあり、著作権の取り扱いの難しさをひしひしと感じる次第です。
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