orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

どこかのIT業界のような話「テスラの多重下請解消」

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あのテスラで多重請負??

IT業界の偽装請負による多重請負構造は散々問題にされてきました。日本独自の問題なのかな?と思っていたら、なんとアメリカ、しかも最先端のテック企業であるテスラで問題になっているというニュースがありました。

 

gigazine.net

「生産ラインで作業を担当しているスタッフの中に下請け業者が非常に多く含まれ、さらに下請けから孫請け、という複雑な契約によって派遣されているスタッフが存在しているという事実を知って失望した」という旨が記されていました。

マスク氏は、何層にもおよぶ下請け業者の構造を「ロシアのマトリョーシカのよう」と表現しており、いくつもの業者による手数料の「中抜き」が行われることでコストが跳ね上がっていることを問題視。さらに、それらの業者の多くが事前に決められた契約額ではなく、実動時間ベースの支払いを受けていることも問題点として挙げています。

 

過去、対策は各社で行われた

私も、多重請負が当然だった企業を離れて数年経つので2018年現在どうなっているのかは正確にわかりませんが、度々SES契約を隠れ蓑に多重請負が横行しているのをインターネットで目にします。

大手SIerなどは、2009年あたりに大規模な対策をした記事があります。

tech.nikkeibp.co.jp

コンピュータメーカーや大手SIerなどによる、再々委託禁止の動きはごく当たり前のものになってきた。

この記事でも「2次まで」はOKで、3次請けは禁止のところが多くなってきたという記事です。全く認めないということでも無さそうですしそこまでやると人が集めにくいということもあるのでしょう。また、実態に基づいて請負やSESではなくきちんと派遣で受け入れ、多重は一切禁止するというのが王道だとあります。確かにその通りだと思います。

ただ業界は大手SIerばかりではないので、未だにルールが無かったり形骸化していたりする現場も残っていると思います。特にデスマーチ状態で、とにかく人を入れないとという現場はモラルハザードしがちです。

 

テスラの実態

さて、ロシアのマトリョーシカ、とはよく言ったものですね。記事には、多重請負のデメリットがとても生々しくかかれています。

・いくつもの業者による手数料の「中抜き」が行われることでコストが跳ね上がっている
・業者の多くが事前に決められた契約額ではなく、実動時間ベースの支払いを受けている
・下請け業者の数はもはやコントロールできない
・契約労働者のパフォーマンスは、非常に優れた労働者から酔っぱらいよりもひどい者まで幅がある

ユーザーには75万で売られているのに多重請負で自分の手取りは20万いかない、なんていう「中抜き」問題ってよく語られていますよね。しかも契約には上限/下限労働時間が設けられていて、上回った/下回った場合は時間精算することになっていることが多いです。したがって、「実働時間ベース」の支払いになり生産性が低くて労働時間が長い場合に単金が上がってしまいます。ひどい会社だと実働時間で精算し、自社の勤務表は定時で上がったようにして、ちょろまかす会社もあるかもしれません。そして、多重下請を許すといろんな会社の人が現場にいることになりコントロールできない状態となります。日本の場合は一次下請けが子請け孫請けをコントロールすることになってますが、うまいこと行かない現場も存在するでしょう。そして、大規模な現場であれば統制が取れなくなり、現場に来たものの全く成果の出せない未経験者に近い人までいる始末です。

・・と、私の記憶にある現場も似たような場所があったので、アメリカのテスラなんていう世界でも有名な企業でもそんなことが起こってるのかと軽くショックを覚えた次第です。

 

あと、この記事の最後の部分とか特に目も当てられない・・。

・下請け業者の状況を統制する人物が不在であるために、無秩序な状況に陥っている
・派遣される労働者は「fleas(ノミ)」と呼ばれている
・雇われた電気技師は工業的または工場オートメーションに関する経験を持っていない
・設備の稼働プランや労働者への作業指示がまったく示されない

ああー、もはやIT業界あるある。一次請けの社員が打ち合わせばっかりで、仕事の指示がないとか。外注のことを害虫と言う冗談があるとか。未経験者なのに有識者としてアサインされるとか。席はあるけど仕事がないとか・・。

 

まとめ

うーん。結局、多重請負構造にて起こる悪影響は、日本や業界に限ったものではなく万国共通だということになりますね。こういった悪い商習慣に巻き込まれないよう、労働者側もきちんと勉強することが必要だと思います。自分がどのような契約で働きどのようなお金の流れで給料を頂いているか関心を持つことが重要だと思います。