orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「文系大学生の人生プランが見えてこない」を読んでみた感想

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今日のお題

anond.hatelabo.jp

人生プランのようなものが見えてこない

 

感想

インターネットの負の側面ですよね。情報が多すぎる。情報というものは、良い情報と悪い情報があって全て総合して決めていく必要があります。

過去新聞やテレビしかなかったころは、中立の前提の元に、ある程度抑制された情報が画一的にしかありませんでした。今でもテレビで銀行がダメとか聞いたことはないです。しかし、インターネットにおいては情報が乱れ飛んでいます。いい情報も悪い情報もどんどんなだれ込んで来る。

そうするとどうなるか。全ての選択肢に悪い情報が付与されるので、リスクで判断しようとすると、どれを選んでも悪い結果を想像できてしまいます。選びようがない。一方でインターネットには自分の情報は載っていません。自分がどんな才能を持っているか。自分が何に興味があるか。インターネットの莫大な情報と比べて、自分自身の情報って本当に少ないのです。自分の進路ですから誰かに相談するわけもいかないので途方に暮れるのです。

大昔に、「本には、いい本と悪い本がある。読めばいいってもんじゃない」って当時の大人が言っていたのを思い出します。情報を入手することで情報強者になりたいというのは人間の性だと思うのですが、人の脳は無尽蔵に情報を受け入れて消化できるようにはなっていません。あまりにも刺激的であったり、あまりにも残酷であったり、そんな情報は取り入れない方がいいことだってあるのです。

昨日、矢沢永吉さんの以下のコメントが話題になりました。

blogos.com

それが何故かは説明できない。勘ですよ、YAZAWAの勘。遅かれ早かれそうなるから、今やるべきだ、という勘ね。この「勘ですよ」っていうのが正解じゃないの?詳しくはわからないけど、何かこういう時代がくるなと感じる、世の中なんてそれで動いている気がするけどね。

といっても、矢沢永吉さんがこれまで全て正解の道を辿って来たわけではありません。過去側近に34億円を横領された、なんていう大事件に巻き込まれたこともあります。いろいろな生の情報を実体験を持って手に入れたことで、大きな失敗も経験しつつ大きな成功も手に入れられています。直感に頼るというのは、偶然や運に身をまかせるわけでもなく、適度に情報処理をして結論が出ない場合に、自分の感覚を信じてみるということになると思います。そこで間違っていたら修正して成長しようという信念でもあると思います。

私が就職した時は、インターネットはまだ一部の人しか使っていない小さなもので、IT業界はまだ世間的には評価は低かったです。パソコンオタク、コミュニケーションを嫌う、というような感じで、もちろん銀行や大企業に就職することが勝ち組でした。今考えるとかなり画一的な価値観ですが、当時はそうでした。そこでIT企業に就職し、一度の転職を経験しましたがそれでもIT業界に居続けています。今はIT業界というと花形ですよね。AIとかIoTとかクラウドとか、ブロックチェーンとかRPAとか、いろんな成長テーマが花盛りですが時代は変わったものだと思います。比較的ポジティブな情報が多いから、じゃあIT業界に行くかというのも1つの選択肢であるかと思います。

一方で、じゃあ銀行業界は、出版業界はどうか。今はマイナスの情報が確かに多いです。でもなくなることは絶対にありません。これは断言できます。形は変わるかもしれませんが業界としてはあり続けます。その中で自分がプレーヤーになって楽しいかどうかは、究極的にはやってみないとわかりません。どんな業界でも戦いです。楽をしたらいいポジションになれるわけがありません。周りも努力していますから。どうせ努力しなければいけないのなら、「楽しい」と思えるところに行くのは一つの選び方だと思います。

もともと、ネガティブな情報というのは、戦いの中で勝てなかった人から発される確率が大きいです。したがって、ネガティブな情報は目をつぶり、ポジティブな情報だけ捉えて、それが自分の中でフィットするかどうか。それで物事を決めることを「勘ですよ」で行うことは合理的だと思います。他人は失敗すると「ほら見たことか」と揶揄して来ると思うのですが、失敗から学ぶこともたくさんあります。その情報はインターネットにはありません。自分しか持っていない情報なので、それが最終的には他人と差別化要因にもなるのです。

これだけ情報過多の時代になると、みな、「失敗しない方向」に向かおうとします。消去法で選ぼうとすると何も選択肢がないというような状況かと思います。残念ながらどの世界でも競争があり敗者があるのですから、ネガティブな情報は必ず存在するのです。ポジティブな情報と自分の情報を組み合わせて、「楽しそうなプラン」に身を任せてみるのが素敵だと、私は思います。

たくさん情報を集めると将来が予見できるというのは、妄想です。ディープラーニングもたくさんの過去情報から傾向を導き予想を立てるだけであり、未来の新事実を予言できるわけではありません。

ということで、「勘でいいんじゃない?」と伝えたかった土曜の朝でした。