orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

NECがついに人事制度にメスを入れるニュースを考察する

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NECがついに人事制度にメスを入れる

過去、NECの中期経営計画をレビューしたことがありました。

www.orangeitems.com

 

再度読み返してみて、かなり厳しいことが書いてあるなあと思いました。このままでは達成は難しいと。一方で、今日入ってきたニュースから、変化の可能性を感じました。

 

www.itmedia.co.jp

NECは2018年度中に執行役員クラスの人事報酬制度に成果主義を導入する。最後までやり抜く実行力ある組織づくりの一環として、業績目標の達成度合いに加え、経営のスピード感を重視するという。同社ではこれまでも成果主義を導入してきていたが、「さらにメリハリをつけた報酬制度にする。ゆくゆくは従業員も含めて導入する予定で、まずは上から変えていくことで企業文化そのものを変えていきたいと考えている」(同社広報)。

 

NECの人事制度とは

実は、NECの人事制度はネットでオープンになっています。

www.nec-careers.com

このページのうち、後半の「プラクティス制度」「2WAYマネジメント」が人事制度の根本となります。

プラクティス制度

高い成果を上げている人の特徴的な行動やスキルを分析して、「どのような働き方が成果に繋がるのか」「必要となる資格・語学などは何か」など成功事例を示したもの(プラクティスファイル)をベースにしたものが「プラクティス制度」です。

この制度は「社員一人ひとりの意識・行動の変革を促進し、プロアクティブな輝く個人として最大の成果を達成していくことに、より寄与する」ことを目的に導入されたものです。

 

2WAYマネジメント

組織の目標と個人の目標のすり合わせについて、上司との双方向コミュニケーションにより、お互いが納得するまで話し合いを行うこと、これが2WAYマネジメントの基本であり、NECの基本的なマネジメントスタイルです。

 

この制度を、より成果主義型に変えると言っています。ただ、実は、11年前の2007年に労働政策研究・研修機構という独立行政法人より、もっとわかりやすい資料がアップロードされています。

NECの賃金処遇制度と雇用制度 - 労働政策研究・研修機構 (PDF)

 

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※上記PDFファイルより引用

 

f:id:orangeitems:20180417173848p:plain※上記PDFファイルより引用

 

考察

私も大分会社員生活をやっていますが、人事評価というものは往々にして「過大評価」になりがちです。自分に厳しくつけても誰も得しないからです。自己評価の段階で満点な人もいました。満点じゃないだろという言うのですが、どうせ上司評価が採用されるのなら低くつけるだけ損だと言われ、なるほどなと思ったこともありますし、自分も多少そういうところもありました。

能力とか、目標とか、キャリアとか、いろいろ言葉は踊るし定義もあるのですが、現場レベルに落とし込むと、評価を低くすることにより社員のモチベーションは下がるんですよね。だから上司としても評価は高めにつけがち。組織で集計すると、平均点は真ん中より上になってしまう。ところが、業績(売上・利益)は計画未達。なんで会社は予算を達成していないのに、評価は半分より上なんだ、みたいなことはどんな企業でも起きていると思います。そしてこの絵の通りやったらおそらくそうなるのではないかな、と思います。

これは、「業績」というものをどう捉えるかになると思います。思い切り数字、つまり予算の達成度で計算すれば客観的です。予算についてはもともと株主や投資家に約束している数字のため、これは必達前提です。そこを超えればプラス評価、そこから下ならマイナス評価。ただ、業績の低い部署にいると、どんなに頑張っても組織の全体評価が低いので、能力が高くても貢献したとしても、評価は下にならざるを得ません。このような評価制度にする場合は、組織ごとにきっちり予算を振り、末端の社員レベルまで予算を意識した行動をする必要に迫られます。

おそらくこういう形、つまり経営目標をきちんと予算というかたちで事業部門におろして、それを人事制度に反映されようとしているのではないかな‥と思います。

そういえば、10年前に富士通が成果主義にチャレンジして失敗したニュースがあったように思います。

富士通の成果主義(1)−結局何が問題だったのか?

なつかしいですね。この書評を見る限り、成果主義が問題だったのではなく、目標の決め方が主観的で政治的であったために、社員の目標ができるだけ低くなっていきがちになり業績が低迷してしまったと読めます。本来の成果主義は数値主義なので、おそらくマイクロソフト流の人事制度が導入され、かなり数字で首を絞められることになるんじゃないかな・・と想像します。

あとは、東芝の問題のように、数字が強くなりすぎてモラルハザードが起きるようなことがないよう、コンプライアンスの問題も気を付ける必要があると思います。

 

まとめ

変化しないと生き残れないことを考えると、人事に手を付けるのは、ポジティブに感じます。これまでの柔らかい人事制度から一変し社員も大変かと思いますが、危機感が末端まで行かないと組織は変われません。間違いなく良手だと思います。期待しています。