ZOZOTOWN退会騒動
前回、ZOZOTOWN田端さんのツイートが話題と書いたばかりだ。
「誰か、高額納税者党を作ってほしい。」ツイートを見て思ったフランス革命のこと。 - orangeitems’s diary
このツイートが起点となり、ZOZOTOWN退会騒動が起こっているという。
確かに、Yahoo!リアルタイム検索でサーチすると、かなりの退会報告がツイートされている。週末ということもありZOZOTOWNも動きは取りづらいとは思うが、このままこの騒動が継続するのか、それともあえて無視して静かになるのを待つのか。
炎上時のリスクマネジメントを見る意味でも、勉強になるとは思う。
考察
匿名ではなく、名前を出してソーシャルネットワークで発言するのはこれだけリスクがあるのかということをまざまと見せつけられた事例となった。
誰か、高額納税者党を作ってほしい。少数派を多数派が弾圧する衆愚主義じゃないか。 https://t.co/Oo576pbj7w
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2018年3月10日
このツイート自体が、3/10(土)9:14AMだから、ここから拡散してすでに日曜の午後には火がついている。もともとLINE時代からその拡散力は有名であった。
確かに、本人自ら炎上マーケティングという言葉を発言しているくらいなので、本当に痛くもかゆくもないのかもしれないが、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは痛いだろうと思う。
匿名アカウントにどんだけディスられてもw実名アカは痛くも痒くもない。ミジンコがなんか喚いてるなー、くらいに感じるだけっす。いつも私の炎上マーケティングでフォロワー増施策にご協力有難うございます。 https://t.co/XtdGo32trt
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2017年5月16日
彼が痛くなくても、販促と拡大に努めてきたスタッフや経営者には迷惑となると思う。少なくとも今日20時の時点でも勢いは衰えていない。
一つ前の記事の通り、 特権層が国民全体の5%未満である社会を形成しているとき、国民の不満は明らかに存在し、しかも庶民の増税感や国家の赤字体質が重なっていると、最終的には暴発し、フランス革命時の場合は特権層は処刑や追放までされていることがわかっている。何かのきっかけがあれば、その不満は何かしらの活動につながってしまう。そもそも現在の社会的な困難は特権階級こそが問題なのに特権階級が自分の位置に不満を言うな、と言うことになる。
日本の特権階級はそのあたりがよくわかっていて、表舞台にできるだけ立たないようにしている。立つときはより抽象化されたメディアでの登場だし、トークショーなどは避ける。これはもはやリスクマネジメントだと思う。歴史をきちんと学んでいる人に限って、このようなミスをわざわざしない。むしろ庶民よりのトークをわざわざアピールする。
今回、その繊細など真ん中の話題を、一企業の幹部の個人アカウントでしてしまったのは本人にとっても企業にとっても大きな失点となるだろう。おそらく放置していると、フランス革命でいうところの、バスティーユ襲撃のような象徴的な出来事となってしまう可能性まではらんでいる。
このような政治的緊張が続くなか、国王政府は1789年の7月11日には2万の兵をパリに集結させ、その武力を背景に、民衆の期待を集めていた財務総監ジャック・ネッケルを罷免した。これは王妃マリー・アントワネットや王弟アルトワ伯らの独断であった。国王はパリ民衆に対する武力鎮圧には消極的であったが、もはや政府は強硬派で占められ、ルイ16世の意向が通らないほどになっていたのである。
「ネッケル罷免」の報に、民衆とブルジョワジーたちは憤激し、7月12日には数千とも数万ともいわれる人々が廃兵院に押しかけて、自衛と秩序保持を名目に武器と弾薬を引き渡すように要求した。7月14日、群衆が廃兵院で3万丁の小銃を奪い、さらに弾薬の調達のためにバスティーユへと向かった。これはサン・キュロットたちの絶対主義体制に対する不満の表れでもあった。そしてその不満が絶対主義の象徴であったバスティーユに向けられたのである
このように、何らかのエネルギーに火がつくためには、何らかのイベントがなければいけない。田端さんの今回の発言が、このイベントとなりその後何も釈明しないことで、じわじわと影響が広がることが容易に予想される。これは歴史の流れと非常に似ているので、「なぜ顔出しの個人アカウントでそれをいう必要があったのかな?」という感想を持つ。
少なくともこの対処としては、あまり時間をかけないでこのツイートに釈明することぐらいしか思いつかない。炎上が落ち着くパターン場合は、たいてい賛成派と反対派が拮抗してきて「後はみんなで考えよう」ということになり鎮火していく。しかし今は反対派ばかりだ。このような一方的なパターンは鎮火しない。何しろ、今回のツイートに対して何か他に補完することがあって、それを言うと賛成が増える目算があるのなら早く発言したほうがいい。もしその算段がなければ、撤回し素直にお詫びをする、そのどちらかだと思う。
炎上度合いが大きくなりすぎれば、スタートトゥデイのリスクにもなりかねないし、なると思う。初動はリスク管理としては大切な要素の一つなので、早いアクションをお勧めする。