orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

高校生に堀江貴文と川上量成と夏野剛がダメ出しするというしんどい話

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N高起業部の話

N高という高校を角川が立ち上げて、何やら珍しいことをやっていることは聞いていましたが、この記事を見てそのメンバーに驚きました。

学生ベンチャー育てる「N高起業部」 堀江貴文氏ら、入部審査で学生に酷評

 角川ドワンゴ学園の通信制高校「N高等学校」(以下、N高)は2月5日、学生ベンチャーを育成する「N高起業部」を設立した(関連記事)。入部した学生は、専門家による支援(ヒト)と専用プログラム(モノ)、起業支援金(カネ/年間最大1000万円)が受けられるという。

 しかし、誰でも入部できるわけではない。入部には審査があり、「特別審査会」と呼ばれる審査会でプレゼンテーションと審査員からの質疑応答があり、それを突破した最大5組のチームが入部できる仕組みだ。審査員はカドカワの川上量生社長、ドワンゴの夏野剛取締役、SNS media&consultingの創業者堀江貴文氏。その第1回特別審査会が起業部設立当日に行われた。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/06/news110.html

堀江貴文氏と川上量成氏と夏野剛氏と言ったら、まあ起業の大変さは知り尽くしている日本有数の3名であることはわかります。以前とあるセミナーで目の前で夏野剛氏の講演を聴いたことがありまして、頭の切れる方だったのを覚えています。とにもかくにも、先生としては厳選された方々です。

 

で、高校生が起業プレゼンをやるわけですよね。そりゃボロボロだと思います。そもそも私の会社でも似たような試みがあったのですが、全然いいプレゼンはありませんでした。一個も。大人でもそんなものです。はっきり言って、10000個のうち1個でもあればいいくらいの確率だと思います。

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起業プレゼンを行うのに必要なこと

起業プレゼンに必要なものって、実は科学論文を書く力だと思っています。

まず仮説を立てます。仮説の段階で、それが平凡であればそれ以上進める必要もありません。仮説はより今までの常識を覆すような感動を産むものでないとやる意味がありません。

次に、そして事実を集め客観的に裏付けます。ここで主観を入れたら、それは「個人の感想ですよね」となってしまいます。統計を用いるとか、アンケートを取ってみるとか。何しろ事実の積み重ねが必要です。工業製品ならここでプロトタイプを作ってみるわけです。

その次に、それを実現するために必要な想定プロセスを検討します。いくら仮説があり裏付けがあっても、実現性がなければここで検討は終わりです。

そして最後の最後にまとめとして、仮説を想定プロセス通り進めて、最終的に仮説が実現したらどうなるかを数字にします。いわゆる営業計画です。ここで売上や原価、キャッシュフローなどが確定しますから、ここではじめて、この起業プレゼンに投資できるかどうかを判断できるようになるだけです。

 

って、高校生にこんなことできるわけないだろーーー!

というのが私の今回の言いたいことです。

むしろ、トラウマになって、二度と起業なんて考えなくなるんじゃないかな・・と心配してしまします。

 

大学での教育が本当は大事

システムエンジニアの人でも、お客様への報告書を書けない人がいます。大学を卒業したはずなのに。卒業論文を書いたときに学んだかどうかで、随分違うのではないかと思います。大学は教えないのでしょうか。科学論文を書く力って、教えてもらわないと身につかないんです。私は教えてもらって身につけましたが、社会人になってバリバリに使っています。

 

システム障害の報告書を書く例ですと、

・まず事象の説明
・その影響
・経緯(時系列など)
・考察
・暫定対策
・恒久対策

このフレームワークで書けば、とにかく読んでもらえます。もちろん中身がロジカルでないとダメですが、このようになってなければ、お客様が3行も読みませんね・・。

 

何しろ科学論文とは、仮説ではじまり事実で裏付けて、考察して結論を出すという、この流れにつきます。N高の特別審査会1回目ということでしたが、何も教えず高校生にやらせたらそりゃそうなるよなあ・・。

しかも、最終的にビジネスになるかどうかって、仕入れとか生産とか原価みたいなところが数式として表現できないといけないので、夢の力だけだとなんとも。

 

プレゼンというには科学論文フレームワークだけでは足りない

そのうえで、です。

プレゼンって、パワーポイントを映しながらその資料を読むことだと思っている人が95%ぐらいいます。それ、間違ってます。

外国のプレゼンとかがYouTubeなどでも拝見できますし、スティーブジョブズでも十分です。パワポの資料に文字が多かったら、それは本です。いっぱい日本人のプレゼンは文字を書いちゃうんですね。それはもっと別の起業企画書のようなワードのファイルにすべきです。プレゼンでやるべきは、伝えることです。

・仮説、ドーン
・仮説が実現されたら、ドーン
・これはこんなに必要とされている、ドーン
・こうやって作る、ドーン
・作って見た、ドーン
・こんなビジネスになる、ドーン
・みんなに笑顔を!

みたいなプレゼンすればいいんです。簡単そうですがみんなそうしません。

 

って、高校生にこんなことできるわけないだろーーー!

と思います。大人にすらできる人は少ないです。

 

本当はどう考えてるんだろう

あの3人は、多分、今書いたようなことを、自分で考えて切り開いていったパイオニアの人たちです。だから、独力で身につけて言ったんだと思います。でも大多数の人は教育されないとわからないのです。そして教育されてもできない人もいるくらいです。

なので、相手が高校生ということもあり、壁として立ちはだかるだけではなく教育する側に回ってほしいなあと思います。そうすると、もはや仕事に近くなるのですが、これをどういうふうにカリキュラムとして組み込めるのかが、N高のチャレンジではないかと思います。

 

コインチェック社の場合

最近は仮想通貨ネタばかり書いているのでよくわかるのですが、和田社長自体は起業家と言うより技術者よりなんですよね。大塚取締役が今回でいう起業ノウハウの専門家です。会見を聞いてもわかるのですが、彼はプレゼン能力は非常に高いです。ですから投資家を呼び込んで、あそこまで成長させることができたのでしょう。

ただスタートアップと会社経営はまた違うので、経営の専門家がコインチェック社にいればなあと思う次第です。極論、技術者は社長をやっちゃあかんと思います。

 

そういうことで、何かこのニュースの高校生かわいそうだなあ、と思い記事を書かせていただきました。N高のスタッフには彼らのモチベーションを高くするような、やさしい対策を行っていただきたいなあと思います。

 

これとか読んでみると良さそう。

理系のための「即効!」卒業論文術―この通りに書けば卒論ができあがる (ブルーバックス) 新書 – 2010/1/21

 

 

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